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隻眼男と白兎

第23章 アニメ化もだいぶ経っちゃいましたけどね



「うっし、時計進ませてみろ神楽」

満足そうに神楽ちゃんを促し、時計は再び進められた。


カチッ

***

リンゴーンリンゴーン


ーー私が覚えているのはそこまで。

ロケットパンチに当たった以前の記憶を失ってしまった私だけど…

あの時聴こえた優しい声だけは、

忘れる事はありませんでした。


九「ひっく、お妙ちゃん…おめでとう…」


そう、その時聴こえてきた声は“ゴス”。

その声は、今も私を隣から励まし続けてくれているのです……(ナレーション お妙)


「何でだァア!!」

辿り着いた未来には、教会で花嫁衣装のお妙ちゃんと…

タキシードをピシッと着こなしたゴッさんが二人仲良く並んでいた。


「アネゴ綺麗アル!」

『ええ話やなぁ』

「いや、全然良い話どころじゃねーよ⁉︎
何で効果音と結婚してんだァアア!!!」

「まぁ記憶を失ってたみたいだし、女は弱ってるところに優しくされるとコロッといくアルからなぁ…。
やるアルな!ゴス兄さん!」

「誰がゴス兄さんだ!僕は認めないぞ馬鹿野郎!
つーかアイツ完全に自我が芽生えてんだろうが!」

『止まった時間が生んだ悪魔だね…』

「効果音さえ具現化し空間に留めるこの世界と、原作の極めて漫画的表現を無理矢理小説にした事が、奴に息吹を与えてしまったんだ」

「いや、オメーらが生み出したモンスターだろあれ!
認めねぇよあんな結婚!あんな未来!
早く時計戻して下さいィイイ!」

「ふざけんな!今度こそ電池を取り戻すチャンスだろうが!!
神楽、時計進めろ」


カチッ

***

神父「それでは、これより二人を結びつけた…
ロケットパンチの交換を」


「なんでロケットパンチが結婚指輪みたいになってんだ!」

『どこの国の風習だァア!!』

こればっかりは新八くんにつられるようにして私も思わずツッコンでしまう。

ロケットパンチ交換って何よ⁉︎
ロマンの欠片もないよ⁉︎
嫌だよこんな結婚式!!
結婚式に夢見る全ての女性に謝れェエエエエエ!!

「ロケットパンチとロケットパンチ…
二つがぶつかりあえば互いの拳が砕け、握り続けた電池が遂に露わになるに違いねぇ!」

『ロケットパンチ交換ってそーゆー事だったの⁉︎』

銀さんの冷静な分析に思わずツッコンでしまう。
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