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隻眼男と白兎

第23章 アニメ化もだいぶ経っちゃいましたけどね


カチッ

**

「ちょっ、テメェ!大事なのは酢の割合だろぉが
んーむにゃむにゃ」

寝言を言いながら寝ている土方さん。

その手は未だ固く握られている。

「まだ離さないアル」

『眠る時も握ったままってどーゆー事?』

「握ってるの忘れちゃったのかな?
もう少し進めましょう」


カチッ

***

「手作りなら良いってモンじゃねぇんだよマヨネーズは」

さっきの寝言続いてるゥウウウ⁉︎⁉︎
(※あくまでも私たちの想像です)

江戸の町を見廻りながら、その右手はまだ固く握っている。

『まだ持ってるけど?』

「…もう少し進めましょう…」


カチッ

****

「うおおおお!」

攘夷志士を斬り倒しながらもその手は未だ(以下省略)


「もう少し」


カチッ

*****

食事中もry


カチッ

******

お風呂中ry



そして…


カチッ


*******


チーン。

「電池握りっぱなしで寿命を終えたァアアア⁉︎」

辿り着いた未来は、立派に白い髭と白髪を生やしたイケメン土方ジーさんの葬式が行われていた。

そこには右手拳を握ってポーズをきめた土方さんの遺影が飾られている。

「オイ、どーゆー事だ!なんで片時も電池話さないまま人生終えてんの?棺桶の中まで握りしめてんぞ⁉︎
つーか中電池だらけじゃねぇかァア!!」

棺桶の中には花…の代わりにたくさんの電池が収められていた。

「電池に何の思い入れがあるんだよ!この人!
嫌がらせだよ!どー考えても僕たちの邪魔をしてるとしか思えないよ!」

「そうか!ひょっとしてコイツが電池で動いてたんじゃないアルか?」

『最早マヨラー失格だね。
もう電池コレクター略して電コレに呼び名を改名させた方が良いんじゃね?』

私たちが好き勝手に言っている間に、銀さんはうんと頷いて、

「未来に電池を取り戻すチャンスはねぇ!神楽!」

銀さんが神楽ちゃんへと目配せすると、神楽ちゃんは大きく頷いて時計の針へと手を伸ばす。

「おうネ」

そして、また時間は戻り始める。

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