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隻眼男と白兎

第23章 アニメ化もだいぶ経っちゃいましたけどね


銀さんに差し出された時計には、

《電池が切れかけています。
交換してください》
の文字が一面だけ浮かび上がっている。

…。

(^ω^♯)ピキピキ

「…銀さん、何ですか、ソレ」

「なっはっはっはっは!改めて時計を調べたら、一面だけデジタル画面のこの状態のまま止まっててなー」

新八くんの怒りのこもった静かな声色に銀さんは気付く様子も無くKYに呑気な笑い声をあげる。

「つまりぃ、最初から壊れて止まってなんていなかったんだ。
それは俺の勘違い!この時計はただの電池切れ!」

この日、それは私達の怒りが最高潮に達した瞬間だった。

バキッ!ゴスッ!ゲシッ!

私たち三人の怒りの拳が銀さんに降り注いだのは言うまでもない。

「ファイナルアタッカァアアア!!」



***

「最初からこうすれば良かったアルなぁ。この馬鹿さえ死ねばこんな事にはなってなかったアル!私たちの今までの努力は何だったアルか!」

私たちは時間を戻し、再びふりだしへと戻って来ている。
屍になった銀さんを神楽ちゃんが引きずりながら止まったままの江戸の町を歩く。

『ちゃんと調べとくんだったねー』

「まさかただの電池切れだったなんて…早とちりもいいところだよ」

「でもこれで!電池さえ交換しさえすれば、この馬鹿以外死なないで済むアル!世界は元どおり動き出すアルよ!」

馬鹿(銀さん)は死ぬ事が決定された模様です。

『つーか、宇宙の時を司る時計が単三電池で動いてるってどーゆー事よ?』

「ただの単三電池じゃなかったアル。アレはちょっと地球じゃ手に入りそうもない代物ネ」

「そこで最初の現場に経ち上ろうってワケだね」

そう。私たちは今、銀さんの回想にあった、この時計を拾った空地へと向かっているのだ。

「この時計を守っていた時の番人なら予備の電池を持ってるかもしれな…あっ!」

空地へと辿り着き、新八くんが焦ったように叫び声をあげる。

そこでは、既に新選組の面々が大破したUFOを取り囲み、怪我人を担架で運び出そうとしている真っ最中だった。

「こ!これは!新選組が事故現場の検分を⁉︎」

「マズいアル!現場の物は全てもう持ち出されてるかも⁉︎」

『…!アレはっ!!』
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