第22章 アニメにも原作にも譲れない何かがある
「この時計は自力では動かなくなっちまったが、強制的に針を指で動かす事は出来る」
銀さんが時計を片手に針を動かす動作をして見せる。
「能動的に時を動かすことは出来ねぇが…
強制的に時を動かし、未来の一場面に飛ぶ事は出来る!
…そこでだ」
ガサガサと懐から紙切れを取り出す銀さん。
それを遮り、神楽ちゃんが嬉しそうな声を上げた。
「わかったネ銀ちゃん!!
つまり、現在のこの鼻クソじーさんに時計を託し、書き置きでも残しておく!」
「そして時計の針を進めれば!」
新八くんが神楽ちゃんに続く。
修理完了☆チャチャーン♪
『おじいちゃんが時計を直した未来に辿り着いて世界は元通り!みんなハッピー!』
最後は私が締めくくる。
「すごいアル!銀ちゃん!
こんなタイムマシンみたいな使い方があったなんて!」
「そう。時が止まってる間に…
書類さえ作っておけば!」
……
…ぱーどぅん?
「みなさんおはようございまーす!では、早速今日の…」
【天気をお知らせする】直前に止まってしまったらしい結野アナの手に、銀さんはさっき取り出した紙切れを握らせ、更に厚かましくも〈今日の天気〉と書かれたボードの文字を〈今日の旦那〉に改ざんまでしている。
「結野アナのピーのピーをピーし放題の未来がまってるわけだ。
よし、時計回せ!」
ピーピーうるせぇんだよォオオオ!!
まるで下ネタ小説みたいになってんじゃねぇか!!
え?違うのか?って?
ノンノンノン、この小説はフィクションです。実在の人物及び下ネタとは一切関係ありませんよ?
え?下ネタ多くね?って?
え?え?…
すいませんしたァアアアア!!!
「結野アナの話かいィイイ!!」
私が完全に自分の世界に浸っていると、新八くんが銀さんへと激しいツッコミをかましていた。
「いい加減にしろよ!改ざんしてんじゃねぇよ!時計直す話はどこ行ったァアア!」
「え?そんな方法あんの?」
「てめぇの悪巧みしてた方法で出来んだろうがァア!
少しはその悪知恵、社会の為に使え!」
「新八…その紙何アルか」
散々銀さんの悪質な行為に正論を撒き散らしていた新八くんの後ろ手に握られていたのは…
『おっぱい揉み券って何よ?』
おっぱい揉み券と書かれた紙きれだった。