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隻眼男と白兎

第22章 アニメにも原作にも譲れない何かがある


*****

時は数時間前の事。


『銀さん!アニメ化おめでとう!!』

「アレ?お前なんでいんの?」

私は今銀さんの家の中、つまりは万屋銀ちゃんの店の中に居る。

銀さんは飲み歩いていると聞き、家にいた神楽ちゃんに中で待たせてもらっていたのだ。

『そりゃあアニメ化記念を祝いに来たに決まってるじゃん!
あのオープニング見た⁉︎
一瞬だけど攘夷戦争時代の高杉さんも今の高杉さん超かっこ良くない⁉︎⁉︎また子ちゃんも超美人だし!
もう見た瞬間キャーって、鼻血撒き散らそうになったし!てか撒き散らしたし!!
あ、もちろん銀さんもちゃんとカッコ良かったよw』

「主人公俺ェエエエエエ!!」

一気に話し出す私に頭を抱える銀さん。

そりゃもちろん銀さんが主人公なのは知ってるが、
私のこの眼には高杉さんしか入らないのだ!ドンマイっ!←

「そんな取って付けたような褒め言葉いらねェよォオオオ!
てかなんだ“w”って!どー見ても馬鹿にしてるだろうが!うっ」

ツッコミを入れたかと思えば、途端に顔が真っ青になり口元を抑える銀さん。

「うっぷ。。もう良いよわかったから。
今日は泊まっていけよ、遅いから」

諦めたように溜め息をつきながら自室へと去っていこうとする。

『えー!銀さん一緒にアニメ化を語らわないの⁉︎』

「銀さん明日朝から仕事なんだよ!」

銀さんは私を振り返ることもなく喚く私を置いて部屋へと入ってしまった。


仕方ないからその日は朝まで神楽ちゃんと積もる話で盛り上がっていたら、気付いた時には朝になっていた。


午前6時30分。
神楽ちゃんが眠そうな目を擦りながらソファーに座りテレビをつける。

私も隣に座ってしばらくテレビを見ていると、新八くんもやってきて、新八くんはいそいそと朝食の準備やら掃除やらを始める。


時刻は午前6時55分。
そろそろ帰らないと高杉さんが起きる時間だ。


私は一人帰り支度を始め、玄関にて靴を履く。

『おじゃましましたぁ!』

玄関のドアを閉め、階段を降り、ダッシュをしようと足に力を入れ


それと同時に外まで聞こえてくるけたたましい目覚ましの音と、

「うるせえっ!こっちはとっくに起きてるわァア!」

銀さんが目覚ましを破壊するやかましい音が聞こえた。



***

そして今に至るってやつである。
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