第21章 始業式HRまで闘いは続く
『どわァアアアア!!』
互いの唇が触れるか触れないかの所で私は高杉さんを思いっきり突き飛ばした。
馬鹿力を抑える事も忘れていたため、高杉さんは反対側の壁まで勢いよく吹っ飛んで行った。
「っ何すんだテメェ!」
打ち付けた腰を痛そうに摩りながら凄みを利かせてくる高杉さん。
『せ、せせ正当防衛です!それと、』
私は相変わらず顔を真っ赤にさせながら立ち上がり、
『あれはキ、キスじゃなくて、人口呼吸です!!!』
気が動転している私は高杉さんに謝ることもせず部屋から逃げ出した。
今はとりあえず一刻も早く高杉さんから離れたかった。
だって、
思い出しちゃうんだもん。
心臓が張り裂けそうなくらい早く高鳴ってるんだもん。
顔から火が出そうなくらい恥ずかしいんだもん!!
私はただひたすらに走った。
しかし、
「オラ!待てや!」
『ヒィイイ!なんで追いかけてくんのォオオオ⁉︎』
高杉さんは物凄い形相で私を追いかけてきていた。
そして、今に至るってやつである。
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『はぁっ!はぁっ!』
「はぁっ!待てっ!」
高杉さんは相変わらず私を追いかけてきている。
もう何分こうして追いかけっこをしていることか。
ただでさえ、動悸が激しいために、私の体力はもう限界に近づいている。
徐々にそのスピードも落ち始めていた。
「いいかげん!止まれ!このクソガキ!!」
『いーやーっ!!』
高杉さんの方もだいぶ疲れてきているようだ。
この調子なら逃げ切れるかもしれない!
私は最後の体力を振り絞ってスピードを上げる。
高杉さんとの距離は少しずつ、しかし確実に開いていく。
よしっ!
内心でガッツポーズをしていると、
「こンの(怒)」
シュッ
何かが私のすぐ横を物凄いスピードで過ぎり、
ガッ
キィイイイン
「止まらねェと斬るぞ」
刀が壁に突き刺さっていた。
思わず身体が硬直する。
てか、
刀投げてから言うんじゃねェエエエ!
斬るどころの騒ぎじゃないよ⁉︎
コレ止まる前に息の根が止まるからね⁉︎
むしろ斬って止まらせるぐらいの勢いだからね⁉︎