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隻眼男と白兎

第3章 夢じゃないし夢じゃなかった!


私はこの女を認めない。
大体ちょっと可愛いからって遊女でもない女が高杉様にべたつくのは許さないっス!


「お嬢さん、年はいくつですか?」

『あ、21歳です』

「ほう!実年齢より格段に若く見えますね!」



………オイ

「オイコラ武市変態!
何怪しい女にロリコンかましてるんスか⁉︎」

「ロリコンじゃありません。フェミニストです。あなたより可愛らしいからって妬くのはみっともないですよ」

「黙れ!クッソ変態ィィイ!!」

「せめて先輩は付けろや猪女ァァア!!」

いつもの変態との喧嘩が始まる。


高杉様や変態やグラサンの目は誤魔化せても、この「紅い弾丸」来島また子の目は欺けないっス!

なんとしてもこの女の正体あばいてやるっス!


女のお守りを任された私は船内の案内をする時もご飯を食べる時も、ずっと食い入るように見張っていたが

わかったことは一つ。

コイツはトンデモないアホだった。

口を開けばボケばかり。

相手をするコッチの身にもなれっス。



「私の服のお下がりだけど、好きなのとるっス」

夜になりそろそろ就寝ということで私は自分の服の中からチサでも着れそーなやつを何枚か並べる。

「ハァ…あんたみたいなバカ私は認めてないんだからね。こんなヤツ泊めるなんて私許しませんからね」

『お母さんンンン⁉︎』

チサとか言うやつはボケも多彩だがツッコミも多彩だった。

『あのね、私ね』

チサが顔を赤らめてもじもじとし出した。

『私、前の世界いた時からまた子ちゃんと友達になりたいって思ってたの…
だから、お友達になってくれませんか?』

新 チサは、女の私から見ても可愛い。白くてサラサラしている髪に大きな紅い丸い目。まるでウサギみたいだ。

そんなウサギちゃんにこんな…

こんなこと言われたら………

手がプルプルと震える

身体がぷるぷと震える。


ガバァ

「そんなん当たり前っスー!!」

私はチサに抱きついていた。

上目使いなんて卑怯だあァァア!


こんな可愛いやつに嘘なんかつけるわけないっス!


そして今日私に友達ができた。

友達なんていつぶりだろう。


まるで仲の良い友達同市がそうするように私達は寝ながら色んな話をして、
そして眠りについた。
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