第3章 夢じゃないし夢じゃなかった!
「かくかくしかじかでコイツは新 チサ。
今日からココに置くことにした」
私は今、説明する高杉サマの隣に正座して縮こまって、かくかくしかじかの楽さについて改めて実感している所だ。
私たちの向かいに座るのは
無表情のグラサンに
あり得ないと頭を抱える金髪
そしてなぜか歓声をあげる変態
「わ、私嫌っスよ!こんな嘘言ってるかもわかんない女!」
また子ちゃんの言うことは最もだ。
私だってもしいきなり「異世界から来ました☆」なんて家に押しかけられたら嫌だもん。
全力でお断りだもん。
玄関すら入れないもん。
「嘘を言ってるようではないですよ」
ここで初しゃべりの武市センパイ。
「先程部屋を出た後、そちらの方の荷物を確認させてもらいましたが、持っているのはワケのわからないものばかり。とてもこの世界の物とは思えませんでした」
え?荷物勝手に見られたの?
『いやん、人の荷物勝手に見るなんてエッチー』
…。
あ、ヤメテ、そんな引いた目線送らないで
この荒んだ雰囲気を払拭するためのネタだから。
そんな、そんな目で見られたら、
私のガラスのハートは木っ端微塵よぉぉぉオオ!
妙に気まずい雰囲気が私と他三名との間に流れる
「話を戻しますが」
あ、オイ目を逸らすな
私から明らかに目を空しながらまた話し出す武市センパイ。
「もし我々を裏切って奇襲をかけるにも、持っているのは矢と、折れた弓だけです。不可能でしょう」
私は武市さんの目線の先に目をやる。
するとそこには私の愛用弓矢が横たわっていた。
弓は先の戦いで折れてしまっているが。
「そう言うことだ」
胡座をかいていた高杉様が立ち上がる。
「今日の所は来島の部屋へいさせろ。
明日部屋を用意する」
「で、でも晋助様!」
「異論のあるヤツはいるか」
高杉サマがギロリと睨む。
こんなん誰も何も言えなくなっちゃうやんけ…
また子ちゃんがぐっと口を噤む。
「無いなら俺は部屋に戻る」
高杉サマはそれっきり部屋からでて行ってしまった。
ぅう、めっちゃまた子ちゃんに睨まれてるよぉ。
でも私が銀魂の中で友達になりたい女子ランキング一位なのは何を隠そうまた子ちゃん!
何がなんでも仲良くなってやるぞぉオオオオ!