第19章 お家に帰るまでが任務
あの後すぐにボス敵だけが部屋を出て数時間。
「オイ、お前ら何時まで遊んでいるつもりだ!」
バァンと牢屋の入り口の扉が乱暴に開かれる。
『フッフッフー。革命っ!そして上がりィイ!』
「うわー!革命さえ無ければ上がれたのにー!」
「姉さん二十回連続大富豪じゃねーかよぉ」
「ちょっとぐらいこっちに大富豪譲ってくれよ」
『ダメだね!大富豪は奥の深いゲームなのだよ?』
私は見張りのモブ敵数人と大富豪に熱中していた。
「…お前ら?何をしている?」
振り返ると、不機嫌オーラをガンガンに纏ったボス敵の姿が。
「何って、大富豪ですけど?あ、ボスも混ざりたいんスか?だったら早く言ってくれればいいのに」
モブ敵のKY発言。
「そっちの遊ぶじゃなーい!!」
ボス敵の怒りの鉄拳が炸裂した。
(処理中のためしばらくお待ち下さい(^ ^;))
「何時になったら高杉は来るんだ!!」
あれから何時間経ったか、未だに高杉さんは来ない。
てゆーか、
『フン、馬鹿じゃないの?こんな一小娘のために高杉さんが来るわけないじゃん。バーカバーカw』
高杉さんは来ない。
来るはずがないのだ。
「随分威勢の良いお嬢さんだ」
額に青筋を浮かべながらも、私の顎を持ち上げて口元に笑みを浮かべる。
「ふむ。まだ十代といったところか。あと2、3年後が楽しみだな」
『バーカ、私もう21歳だもんねー!あとは老けていくだけでーす!残念でしたーw』
あ、なんか自分で言ってて悲しくなってきたぞ?
いや、まだ望みはある。
あと2年後には美人のオネーサンになれる!…はず。
「調子に乗るなよこのアマ!」
能天気にそんな事を考えていたが、さすがにキレたらしいボス敵の手が私の衣服にかかる。
『っ触んな!変態!!』
必死に振り払おうともがくが、手が縛られている今の状況じゃ男相手に思うように力が出せない。
あまりの恐怖に涙が溢れてくる。
イヤだ!高杉さん助けて!
私の心の声が通じたのか、突如牢屋の入り口が破壊された。
「ソイツに触ってんじゃねェ」
私の耳に届いたのは、今一番聴きたい声だった。