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隻眼男と白兎

第18章 浦島太郎とか理不尽すぎワロス


「乙姫様。捕虜を連行してまいりました」

ぐいっと乱暴に突き出された私達の前には大きな簾がかかっていた。

その向こうのボンヤリとした人影が私達へと語りかける。

「全く、しぶとい連中よのぅ。まだ妾に逆らうと言うか。諦めの悪さは褒めて遣わすぞ」

高貴な感じのする喋り方からおそらく乙姫様本人だろう。
人を見下す高貴さがかなりムカついたけど、今はそれより、

「アナタが乙姫さまですか。人を呼びつけておいて顔も見せられないの。それとも人に見せられないような顔でもしているのかしら」

隣で啖呵切ってるお妙ちゃんが怖いです(^ω^;)


そんなお妙ちゃんにも動じず、乙姫様は上品な笑い声をあげる。

「気の強い娘よ。悪い事をした。反逆者の中に妙齢の娘がいると聞き、是非顔が見たく呼ばせてもらった。
だが安心せい。
妾より美しく若い娘であれば老させるだけでなく命も奪ってやろうと思ったが」

そこで乙姫様が言葉を止め、

フッと、何やら人を小馬鹿にしたような笑い声が聴こえた。

「田舎臭い地味な娘に白髪ロリ娘ときたものだ。
そち達程度なら捨て置いても良いわ。
だって妾の方が可愛いもん♪」

…。

カチン。

『コレは白髪じゃなくて白髪だボケェ!』

「どっちも変わらないだろうが!」

『ちげーよ!!シラガとハクハツ全然違うだろうがバァカ!』

「なっ!妾を馬鹿呼ばわりとは!馬鹿って行った方が馬鹿なんだよバァァカ!」

「上等だコラァ!面出さんかいワレェ!正々堂々勝負じゃボケェ!」

「あぁん?やんのかワレェ妾に勝てると思ってんのかコラァ」

激しい言葉の暴力をぶつけ合う私達の前から突如目の前の簾が取り払われる。

やっと対面した乙姫様の姿は、


「あんた達なんてただ若いだけでしょうが!
私だって若けりゃ!若けりゃあ!!」

目の前に立っていたのは、


え?これホントに乙姫様?

どっかの女プロレスラーが代役してるとかじゃなくて?
え?え?

ってぐらいのデカい図体のオバサンだった。

私とお妙ちゃん、二人して顔を見合わせる。


「『年齢の問題じゃないだろうがァアアア!!』」


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