第18章 浦島太郎とか理不尽すぎワロス
ここは薄暗い牢屋の中。
「老人にされた人達が次々に運び込まれてくる。いずれ僕達も…」
『てやっ!てやっ』
「何のつもりが知らんが、本当に乙姫とやらはこの国を老人だらけにするつもりらしいな」
「ふんっ!ふんっ!」
「どーすんだよ!亀はどっか連れてかれちまったし身動き取れないし…って、うるせェエエ!」
マダオが叫んだのはテレビの前で白熱しながらコントローラーをピコピコさせている集団に向かってだ。
「何お前らこんな状況でゲームなんかやってんだ!」
皆が深刻な表情でいる中、私と銀爺さんとヅラ爺さんはゲーム中なのだ。
『だってホラ、そこにゲームがあるならやるでしょ?』
「やらねぇよォオ⁉︎てかなんで牢屋にテレビとゲームがあるんだよ⁉︎」
私の呑気さに頭を抱えるマダオ。
「やかましゃあ!何を騒いどるんじゃお前たち!
家にばかり篭ってないで子供は外で遊んできなさい」
「じゃあ鉄格子外せクソジジィ!!」
新八くんが理不尽を言うヅラ爺さんにキレる。
「全く近頃の若いもんは、やれファミリーコンピューターだメガドラブだ。家にばかりこもりおって。
ワシ等が若い頃にはのぉ銀時?暇さえあれば野山を駆け回ってメガドライブしたもんじゃあ」
『今もメガドライブしてるしね』
「それメガドライブだったの⁉︎
てか、最終的にお前らもメガドライブやってんじゃねーか!」
新八くんもこの人数相手にツッこんで大変そうだな。
とは思うけど面倒そうだから私はツッコミ役には徹さない。
「ヅラ………
最終的にお前もメガドライブしてんじゃねーか」
『ツッコミおせーな!』
おっと、さっきツッコミしないって決めたばかりなのにツッこんじゃったよ。
負けじとツッコミを繰り出す銀爺さんに私もまたツッこむ。
そんな中、いつの間にか牢屋の前に敵の亀が立っていて、
「一人来てもらおう…そこの女と、あとお前も来い」
敵が指差したのはお妙ちゃんと私。
「待て!僕も「みんなをお願い」
身を乗り出す九兵衞くんを制して一人牢屋を出て行くお妙ちゃん。
『大丈夫だよ。私も付いてるから』
心配そうな顔を崩さない久兵衛くんにそっと囁いて私もお妙ちゃんの後を追う。
そうして私とお妙ちゃんは敵に連れられるまま牢屋を後にした。