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隻眼男と白兎

第18章 浦島太郎とか理不尽すぎワロス


『「むかし〜むかし〜浦島は〜盗撮してた亀をつかまえて〜竜宮城にいってみれば〜」』

「やめてくんないスか、その歌やめてくんないかな、伝承されたらヤバイんで」

私たちはあれから亀もどきに連れられ、ボートに乗って竜宮城へと目指している途中だ。

「それはそうとコレいつになったら竜宮城につくんだ?
お前船舶免許持ってんだろ?もっとブワーっといける船持ってねーのかよ」

「以前イルカと人身事故起こして今裁判中なんスよ」

『「アンタ前科何犯⁉︎」』

てかイルカと人身事故ってなんだよ⁉︎
裁判中によくもまぁ盗撮なんて罪を犯したもんだな⁉︎

あまりにツッコミどころが多過ぎて逆にツッこむ気にもなれずにふと海を眺めると、後ろからクルーザーが近付いてきた。

「姉上!九兵衛さん!」

新八くんが叫んだ先、クルーザーには二人の女性が乗っていた。

多分、花柄の可愛らしい着物を着た方が新八くんのオネーさんのお妙さん。
眼帯をしている一見男の子に見えなくもない方が柳生の九兵衞だろう。

ここ最近この世界に慣れすぎて、自分が元からこの世界の住人だったかのように思えてきたよ…。


新八くんとお妙さんが話しているうちに奥からもう一人、黒光りしたガタイの良いおじさんがやって来た。
手にはカジキを持ち、甲羅を背負ってる。

「なんだァ!あの亀はァァァァ!!」

『アレ亀なの⁉︎』

銀さんの叫びに思わずツッコミを入れる。

九兵衞くん曰く、黒光り亀の娘が悪い男に絡まれていたのを助けた礼に竜宮城へ招待されたらしい。

亀も船もコッチとはエラい違いだ。

「じゃあみんな、危ないからそろそろ陸に戻るのよ」

お妙さんが笑顔で手を振る中、クルーザーは無情にも私たちを追い越していく。

「くっそだらァァァ!負けてたまるかァ!俺たちの夏休みィィ!」

どんどん離れていくクルーザーに追いつこうと、銀さんと神楽ちゃんが猛スピードでオールを漕いでいると、突然波が盛り上がり、私達はボートごと吹っ飛ばされた。

現れたのはまるで戦艦ヤ◯ト。

「よォ、俺ガケから身を投げようとしてたらこの亀に救われて、今から竜宮城に行くところなんだ」

乗っていたのは、亀を助けるどころか助けられているまるでダメなオッさんだった。
その隣には髭の生やした誰にも苛められなそうなマッチョ。多分亀。

もうツッこむのにも疲れてきたよ。
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