• テキストサイズ

隻眼男と白兎

第18章 浦島太郎とか理不尽すぎワロス


「大変です銀さん!チサさん!」

ぜぇぜぇと肩で息をするほど全速力を出したらしい新八くん。

「こっちも殴られて大変だったよ新ぱっつぁん」

『そんなに慌ててどーしたん?』

問いかけると新八くんは呼吸を鎮めながらある一点を指差した。

その先に目をやると、なにやら人集りが出来ている。

「なんだ?なんかやってんのか?」

銀さんが持っていた双眼鏡を覗く。

「あ」

私も銀さんの手から奪い取ったそれで現状を確認する。

老若男女が集まる中、その中央にいたのは神楽ちゃんと

その神楽ちゃんに蹴られている一匹(?)の亀。

『めっちゃ亀しばいてんですけど…』

私たち三人はすぐさま神楽ちゃんの元へと駆け寄った。

「神楽ちゃぁあん!何やってんのォォ!」

新八くんが亀もどきを抱き起こす。

てか、近くで見れば見るほど亀には見えない。

「海で亀いじめるなんて何考えてんだよ神楽ちゃん!暴挙だよ暴挙!」

「つーか亀なのかコレ」

『いや違くね?』

周りの人の証言によると、どうやら神楽ちゃんはこの亀もどきの盗撮から女の子達を助けたらしい。

亀の持っていたビデオを確認すれば、写っていたのはピチピチギャル達の水着姿ばかり。

そして私たちはこの犯罪者亀もどきをシバいて、なんやかんやで沿岸警備隊本部まで連行したのでした。
(説明雑くね⁉︎)


「あのォ…すいません。家族に言うのだけは勘弁してもらえないスか。もうすぐ嫁さん産卵なんですよ。デリケートな時期なんです」

『そりゃ泣きながら卵産むことになるわな』

亀が必死に土下座やらなんやらしているうちに私たちはこの亀の所持品を漁る。

「あっ、銀さん!所持品に免許あります」

新八くんが見つけたそれを私と銀さんが覗き込む。

「船舶免許ですね」

「亀なら泳げよ」

『てか亀じゃねーだろ』

「えー、住所は…
竜宮城三丁目2の5の3…」

竜宮城?

『竜宮城って、竜宮城に住んでんの⁉︎』

「あ…ハイ。実は俺竜宮城のガイドやってんスけど…」

「マジでかァァ!え?あんの?竜宮城マジであんの⁉︎」

「え?ありますけど普通に」

私と銀さんと新八くんが思いも寄らない返答に目を丸くし、顔を見合わせる。

「あの…良かったら行きますか?」


こうして私達はシバいた亀に連れられて、竜宮城へと行くことになったのでした。
/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp