第3章 夢じゃないし夢じゃなかった!
とはいえ、どう答えよう…
なんであの場にいたのかって、
そんなんむしろ私が聞きたい。
そりゃ気になるだろうけどさー
言ったところでまず信じてもらえないでしょ。
得体の知らない女が
「異世界からトリップしてきました☆」なんて
即抜刀ものだ。
ぐぬぬ…
「早く言え。切られてェのか」
ジャキッ
痺れを切らした高杉サマから刀が向けられる。
あれ、デジャブ(^ω^;)
ぁあ、この人糖分足りてないんだろうな
仕方ない。
私は嘘をつけない性分だ。
付いたってすぐにバレるからね!
顔に出ちゃうからね!
罪悪感漂っちゃうからね!
ウソツキは泥棒の始まりだしね!
『じゃあ正直に言います!
なんであそこにいたのか…
知りません!』
高杉サマがアァ?とすごい形相で私を睨む。
ヒィ
恐ろしいッ
『私、多分この世界じゃない場所から来たんです。
普通に本屋さんから出て、轢かれて死んだと思ったらさっきの場所にいました』
私はありのままを話す。
『あなた方のコトも知ってますよ。
私のいた世界では漫画になってたので。
つまり…
トリップしてきたのではないかと…』
「トリップだァ⁉︎」
こんな素っ頓狂な声あげる人だっけ?
まぁ、普通驚くか。
あり得ないもんね、こんなん。
どう考えたって漫画の読み過ぎだもんね。
…ってココ漫画の世界だけど…。
驚いて目を丸くした高杉さんだったが、
やがて何やら考える素振りをして
ふむと頷いた。
「まぁ、天人やらターミナルやら、
この世界ははなっから狂ってやがる。
お前から出てくる知らない言葉、その風貌からして本当なんだろうな」
し、信じてくれたァア⁉︎
こんな扱いやすい人だっけ⁉︎この人⁉︎
もっと「信じられん」とか言って聞く耳持たないと思ってた(; ̄ェ ̄)
こんなあり得ない話受け入れてくれるたぁ
さすが銀魂の世界だ。
「じゃあお前ェ、違う世界から来たとして
行く当てはあんのか?」
『な、…ないですぅ…』
いくらギャグ漫画の世界だからといっても
この時代は江戸時代。
浪人とか、攘夷志士とかがわんさかいる世界。
こんないたいけな21歳乙女が一人でやっていくには困難すぎる世界だ。