第17章 雨の日に100%傘を置き忘れる自分は馬鹿
今日もずっとザーザーザー♪
やんなっちゃうぜインディペンデンスデイ〜♪
どっかの馬鹿が雨と一緒に降ってきてー♪
私の傘は木っ端微塵ー♪
馬鹿と一緒に雨も消えてくれー♪
あぁインディペンデンスデイ♪
インディ インディペンデンスデーイ♪
「何だその残念な歌」
私が廊下を歌いながら歩いていると、通りかかった万斉さんにイタイ目で見られた。
『私作曲の歌ですよ』
「…お主、歌の腕は良いが歌詞のセンスは壊滅的でござるな…」
えー、私的には自信作なんだけどなー…
っと、そう言えば万斉に用があったんだった!
『あ、万斉さん!どっかの馬鹿のせいで私の傘が壊れちゃったので、新しい傘を買いに江戸に行ってきても良いですか?』
「どっかの馬鹿?」
『バカ兎です』
私がそう答えた瞬間、察したように哀れんだ目を向けられて肩に手を置かれる。
「すまん。愚問だったでござるな。
少ないがこれで好きな傘買っておいで」
多めにお駄賃までくれたよ。
今すごく万斉さんがお父さんに見えるよ。