第17章 雨の日に100%傘を置き忘れる自分は馬鹿
今日も朝からザーザーザー♪
昨日も今日もきっと明日も〜♪
その名はインディペンデンスデイ〜♪
空も気持ちも鬱になるさ〜♪
でもこんな雨の中傘を差して煙を食べるの悪くない〜♪
ああ インディペンデンスデイ〜♪
インディ インディペンデンスデーイ♪
作詞・作曲 新 チサ
「なんだその残念な歌」
6月。季節は梅雨。
連日続く雨の中、私は今高杉さんと傘をさして甲板で煙管をふかしている。
作詞作曲した歌を歌いながら。
『私作詞作曲な歌ですよ!いい歌でしょ?』
笑いかけようと高杉さんの方を向こうとして、
突然空の上からの殺気。
「チサー♡オヒサ」
『なっ!神威⁉︎』
突然降ってきたのはどこぞのバ神威。
『なにが♡だ!!さっき丸出しで来てんな!当たったらどーするつもりなんじゃい!!』
「でも防げたでショ?」
そうだ。
神威が愛用の夜兎の傘を振り下ろしたのを私はさしていた傘で受け止めて、
…って、
傘ァァアア⁉︎⁉︎
神威の攻撃を受け止めた私の傘は見るも無残に折れ曲がっていた。
『何すんのよ…この傘お気に入りだったのに!!』
「俺のに一緒に入ればいいヨ」
しれっと笑顔を向ける髪威に一発パンチをお見舞いしてやりたい。
私が傘と涙のお別れをしている中、さっきまで蚊帳の外だった高杉さんがずいと神威に詰め寄る。
「何の用だテメー」
「もちろん…」
突然神威が私に抱きつく。
「チサに会いに♡」
『ぎゃーーー!!』
「なんて言うのは冗談でw」
神威の拘束がパッと解かれる。
「今日はアンタに用事が会ってきたんだよ」
そう言って高杉さんに微笑む。
「ほう。そいつは嬉しいねェ」
高杉さんも神威に笑いかける。
でもアレ?
高杉さん目が笑ってないぞ?
アレ?
よく見ると神威も真っ黒なオーラが滲み出てるぞ?
アレ?
真ん中にいる私気まずくね?
アルェー?(^ω^;)
「じゃあ、客室で話を聞こう」
そう言って神威を促す。
「じゃーチサ!またネ」
「あと」
高杉さんがギロリと神威を睨みつけて、
「そいつに気安く触んじゃねー」
そう言って行ってしまった。
神威も肩を竦めながら後を追っていって、
私は一人、お気に入りの傘のお葬式を果たした。