第16章 深夜のホラー映画のCMほど怖いものはない
俺は眠ってしまったチサの顔を眺め、その白い髪を手ですく。
血を吸われすぎたか。
…ガラにもねェ事を言ってしまった。
ホラまた俺は後悔してる。
なァ先生。
俺はこんなにも後悔だらけだ。
先生を失ったことも。
かつての友に背を向けてしまったことも。
どうしたら先生のように毎日を悔いなく生きていけるんだ?
俺は不器用だから、そんな器用な事できねェよ。
その答えを知っている先生すら、この世にはもういないんだ。
…ただ、コイツを拾った事は後悔していない。
コイツのおかげで久しぶりに夢の中で先生に逢えた。
俺が笑っていられる瞬間が増えた。
死んでからも逢いたいと思えるやつが出来た。
…後悔の反対は何だろうな?
満足?幸せ?
……うん。満足がしっくりくるな。
幸せなんてコトバ俺には似合わねェからよ。
先生。
俺は今、後悔もあれば満足もある人生を送ってる。
今の俺を先生は決して褒めてくれはしない事はわかっている。
だけど、
昔言ったように、こんな俺を今も何処かで見守ってくれているなら、
これからも見守り続けてくれよ。