第16章 深夜のホラー映画のCMほど怖いものはない
「私、こんな見た目だからいっつも怖がられちゃうんです〜」
しまいには天人は泣き出してしまった。
あれ?なんかかわいそーになってきちゃったぞ?
もしかしてあの有名な貞◯もこんな気持ちだったのかな?
呪い解いてーあーまた怖がられたー的な?
いや、ゆーて貞◯は美人だわ。
……
…そうだ!!
『ねぇ、ちょっと来て!!』
そう言って天人を引っ張って走る。
目的地は少し離れた私の部屋。
部屋につき座らせる。
「な、何をするんですか〜?」
これから何が始まるのかとオロオロしている天人さんを背に私はガサゴソとメイクポーチをひっかきまわす。
『題して!脱幽霊!イマドキ乙女に変身させちゃうゾ☆作戦ー!』
パチパチパチー
『ハイ、まずは、その幽霊みたいな髪の毛切っちゃいます!』
未だ何が起こっているのかわからずその大きな目をパチパチさせている天人さんの長い髪に問答無用で鋏を入れる。
そして最早残像しか見えないほど高速で手を動かし顔を改造していく。
早五分。
『ハイ!入って入ってー!皆見て!私の力作!!』
私はまた天人さんを連れてもといた大広間に来ていた。
天人さんが恐る恐る中へ入ると、そこにいた人達の歓声が聴こえる。
「これは、また大変身でござるな』
「綺麗じゃん」
あの幽霊のような見た目から稀に見る美女へと劇的ビフォーアフターを遂げた天人さんは皆に褒められ嬉しそうだ。
『どうですか?高杉さん?綺麗になったっしょ!』
高杉さんの前に行きドヤ顔して見せると、
「あァ、お前ェにしてはやるな。こんな美人になら血を吸われても悪くねェかもな」
「え、じゃあよろしいですか?」
なんて高杉さんにべったりくっついてきやがった天人さん。
(^ω^♯)ピキピキ
「『よろしくねーよ』」
同時に起き上がったまた子ちゃんと天人さんを窓の外へ蹴り飛ばして、天人さんはお星様になりました☆
こうして無事に幽霊騒動は終わり、鬼兵隊にはまた平和で物騒な日々が始まる事になりましたとさ。