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隻眼男と白兎

第15章 病院ではお静かに


先生が言った通りすでに荷物は全部纏められて置いてあったので私は渋々エントランスへ向かった。

早くこんな退屈な所出たいと思っていたのに、突き放されて悲しくなるのなんでだろー。

まぁ、まだナース長にお説教食らっているであろうお巡りさん二人組に会わなくて済むのは幸いだけどさ。

どこか足取り重く歩いていると、ロビーのソファに座っていた桂さんに呼び止められた。

『あれ?もうお説教終わったんですか?』

「いや、お主にまだコレを渡していなかったと思って抜け出してきた」

そう言ってまた何処からか取り出した例の報酬を取り出し、私に差し出した。

『うっひょい!!』

すぐさまそれに飛びついた私だが、

そういえばあの時、時間ギリギリでナース長に止められたからゲームはドローなんじゃないか?

恐る恐る桂さんを見上げると、それを察したように

「ゲームはお主の勝ちだ」

そしてワシャワシャと私の髪を撫でた。

『桂さん!ありがとう!!』

思わず抱き着くと、何故か顔を真っ赤にした桂さんが私を引き離した。

「お、俺はロリコンではない!どちらかと言うと熟女派だ!人妻だと直良し!」

狼狽えながら自分の性癖を暴露している。

『もう!対して歳変わんないと思うけど…
それじゃ私行くよ!桂さん!』


そうして長かった私の病院生活は幕を閉じた。


そういえば、先生家族に連絡したって言ってたけど…

鬼兵隊って今何処にいんの?(汗)

不定期で場所を変えている鬼兵隊の事だ。今頃江戸にすらいないかもしれない。

見舞いにすら来てくれなかった薄情者たちだ。
きっと迎えになんか来てくれてないだろう。

…て事は私置き去り⁉︎


慌てて辺りを見渡すが、病院の入り口の前で立っている戦◯BASARAのレッツパーリィの格好したレッツパーリィしかいない。

伊達軍の誰かでも怪我したんだろうか…

いや、それどころじゃない!


私これからどうしたらいいのー⁉︎
私はお荷物ってか⁉︎
厄介者ってか⁉︎
酷いよ!仲間だと、家族だと思ってたのにこんな仕打ち!
今からお巡りさんに駆け込んで皆の悪行暴露してやろうかー!!

キィーと一人地団駄を踏んでいると、突然後ろから手を掴まれた。

しかし、超絶暴れモードな私はそれを振り払い手を掴んで来た奴にアッパーを食らわせた。

「うっ!」




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