第15章 病院ではお静かに
ヤバいヤバい。
何がヤバいかって、マジヤバい。
最も会いたくないお巡りさんランキングベスト3に入る二人にまさかこんな所でお会いしてしまうとは。
しかもまさか追いかけられてしまうとは。
それよりまさかゴリさんが新選組の近藤さんだったとは!!
結構走ったけどまだ二人とも追いかけて来てるのだろうか。
チラリと後ろを振り向いて、
『いっ!!』
後ろに気を取られていた私は何にもない所で派手に転ぶこととなった。
「アッチから声が聴こえましたゼぃ」
姿は見えないが聴こえたのは沖田さんの声。
まだ追いかけてきてんのォオ⁉︎
しつこい男は嫌われるってお母さんに習わなかったのかな⁉︎⁉︎
まだ追いかけて来ているらしい事実に私は慌てる。
隠れる場所を探すものの長い廊下には何の障害物もない。
近づいてくる足音。
マズい!見つかる!
そう思った時、いきなり後ろから腕を誰かに引っ張られた。
ボスんと何かに顔が当たりそのまま体が何かに包まれる。
「いないぞ?」
「違う階に逃げたんじゃねーですかィ?」
そのまま二人は私に気付くことなく通り過ぎていった。
「よし。行ったな」
何が起こったかわからないままその場に硬直していた私が、聞き覚えのある声にハッとして顔を上げると、
「大丈夫か?」
眼帯をして、何やらパイレーツな衣装を身に纏っているが、その綺麗な長髪に端整なお顔はまごう事なき桂さん。
私は桂さんに後ろから抱き締められ、その長いコートに包まれていた。
「か、桂さ」
思わず大声で叫びそうになったところで桂さんの大きな手で口を塞がれた。
「バレたいのか貴様は」
ち、近い近い近い!!
桂さんの顔が30センチの距離に満たないほど私に近づき、思わず顔の温度が上昇するのがわかる。
咄嗟に鼻を抑え必死に平常心を保とうとするが、
「?お主顔が真っ赤だぞ?風邪でもひいているのか?」
コツンと桂さんの額が私の額に当てられる。
もう無理。限界\(゚∀゚)/
そして私は我慢していた赤い液体を盛大に桂さんに吹きかける事となった。。。
(しばらくお待ち下さい)
「で、お主は何故こんな所にいる?」
至近距離でかかった私の鼻血を吹きながら、桂さんが呆れ顔で問い掛ける。
それに私はかくかくしかじかと説明する。