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隻眼男と白兎

第15章 病院ではお静かに


『あーーー!ひまーー!!』

読んでいたギンタマンを放り投げベットへダイブする。


***

田口このヤロー騒動の後、荼吉尼族をタコ殴りにした私は見事に身体中の骨という骨にダメージを受けていた。

「お嬢ちゃんまた酷く無理をしたねぇ。こりゃあ鬼兵隊じゃ治せないよ」

鬼兵隊へと戻り、専属の医者のおじーちゃんが私を診てお手上げだと首を竦める。

「だそうだ。とっととお前ェは大人しく病院に行ってこい」

そのまま私が病院から逃げないように万斉さん付き添いの元私は江戸にある大きな病院に連れてこられた。

「あー、お嬢さん何したの?全身の骨という骨が骨折、ヒビ入ってるよー。
こんなんでよく歩けたもんだ。
今日から大事をとって入院して下さいねー」

『はっ…⁉︎入院⁉︎』

泣きそうな目で隣にいる万斉さんを見ると、
ポンと哀れんだ表情で私の肩に手を置いた。


****


そうして病院に拉致(入院)された私は今に至るのである。


ここに来て早三日が経つが、いかんせん病院内は暇でヒマで仕方がない。

何回か脱走を試みたがことごとく失敗した。
(ここのナース長すっげぇ怖いんだよなぁ)


『もー!ギンタマンなんかじゃなくてもっとこうワンパークとかさー!色々あるじゃーん!!』

私が文句を垂れていると病室のドアが開かれ、ナースが入ってきた。

「新さんは本当に元気ねぇ。
今日からこの部屋に新しく患者さんが入るから暇も少しは紛れると思うわよ」

ナースさんが廊下に出て手招きし、新しい病人であろう人が入ってきた。

「こちら今日から新しく入るゴリさん。二人とも仲良くしてね」

その人はきっと凄まじい事故にでも逢ったのであろう、包帯ぐるぐる巻きの松葉杖姿でやってきた。


「いやぁ、こんな可愛いお嬢さんと相部屋だなんておじさんドキドキしちゃうなぁ」

私の方を見て、照れ笑いながらその包帯ぐるぐる巻きの手で頭を掻く姿はどー見てもゴリラ。

『いや、ゴリラとは何の間違いもないんでダイジョブっす。それと、私の半径5メートル以内に入らないでください。ゴリラが移るんで』

「この部屋直径10メートルも無いからね⁉︎てか初対面でゴリラ扱いィイ⁉︎」

こうして私の入院ライフにゴリラが登場して来たのであった。

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