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隻眼男と白兎

第14章 初めてのお仕事


「死ねェ!高杉ィイイ!!」

猛烈な殺気を感じ振り返れば、田口さんが刀を振り上げて高杉さんの方へ突進してくる。

私と万斉さんで高杉さんを守るべく盾のように刀を構える。

バァン

銃声が鳴り響き弾かれたのは相手の刀。

よろめいたその体にすかさず万斉さんが一太刀入れる。

しかしさすが過激派攘夷志士の一人。
万斉さんの一撃を素早く握り直した刀で受け流した。


「はは、まんまと罠に嵌められたってか」

自嘲気味に言いながらも余裕の笑みを浮かべる田口さん。

「お前ェら、俺たちを裏切るって事どういう事かわかってんだろうなァ?」

高杉さんが鋭い眼光で睨みつけるが、酷く厭らしく口元を歪め、
「罠に嵌められたのはお前達鬼兵隊の方だバァカ!」

ドガァァン

田口さんの叫び声を待っていたかのように凄まじい爆発音と共に入口が破壊される。

辺り一面に砂塵が立ち上り、現れたのは影が二つ。

やっと視界がはっきりとしだし影の正体が明らかになる。
緑の肌に大きな角。
私よりも一回りも二回りもありそうな巨大な体。

もう一人は対照的に細身の人間の姿。
しかし耳の形が某ゲームのリ◯クに似ているところから天人だろう。


「チィ、やはり傭兵部族を味方に付けていたか」

後ろの高杉さんが舌打ちを打つ。

『傭兵部族?』

確か夜兎族がそれだよね?
しかし、あまり覚えのない言葉に私は首を傾げる。

「デケェ方は荼吉尼族、馬鹿力。細い方は辰羅族、馬鹿速い」

……ほぅ。
なんとも雑なご説明をありがとうございます(^ω^;)


そうこうしているうちに、馬鹿速いらしい方の辰羅族が万斉さんの方へ向かい、いつの間にか視界から失せていた田口さんが高杉さんと刀を交わす。

残った私の方には、もちろん残ったもう一人が向かってくるわけで…

『いやぁぁあ!来ないでぇええ!!』

目を瞑り刀を構える。

だってすっげぇ顔怖いんだもん。


向かってきたその巨体に刃を振り下ろすが、それは寸前のところで掴まれパキンと軽々と折られた。

「今度はこちらの番ですね、お嬢さん」

その恐面がニヤリと笑う。

怖っええぇええ!!!
てか鬼兵隊!ちゃんと刀手入れしとけよー!(涙


荼吉二族は背負った刀に手を伸ばす。
ブ◯ーチの斬月みたいなデッカい石包丁。

…いやいやいや。
これはいくらなんでも無理だわー(^o^;)
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