第2章 ユキとファル
「‥‥‥‥‥‥」
『それが条件!』
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
‥‥返事が無い。
‥‥そうだよね。人間なんて、もう信じられないよね。
「分かった」
『‥‥え‥‥』
自分で条件を出しておいて、自分で驚いてしまった。
「‥‥何だ。お前が言い出した事だろ」
私の顔を見て、ファルが呆れた様に言う。
『‥‥へへっ‥‥』
思わず笑みが零れてしまった。
『交渉成立だね!!』
「あぁ」
私がニッと笑うと、ファルもフッと笑った。
「ユキ」
不意に名を呼ばれ、後ろを振り返る。
『!!?』
ぐいと腕を引かれ、
私とファルの唇が重なった。