第2章 ユキとファル
『‥‥‥‥‥‥』
「‥‥顔が赤いぞ。熱か?」
『誰のせいよ!』
あ゛ぁ゛ーー。
‥‥一応ファーストキスだったんだけどな‥‥。
「おい、何してる。早く行くぞ」
『‥‥‥‥‥‥』
‥‥今のは何だったんだ‥‥私のファーストキスがぁあぁぁー。
「‥‥‥‥おい、行くぞ」
『‥‥どこに?』
私が尋ねると、ファルはまた深いため息をついた。
「結界。解けるんだろ?」
『‥‥あ、うん』
‥‥いや、そりゃ解けますけど。
『‥‥あのさ』
「何だ」
私は少し間をあけて、ファルに訊ねた。
『さっきのキスと結界、何か関わりあるの?』
ファルは少し考えてから、はっきりと言い放った。
「至ってない」
私はファルにビンタ。
‥‥しようと思ったが身長が届かなかったから、膝カックンした。