第2章 ユキとファル
『んんっ‥‥』
ぐいと押し返そうとファルの胸を思い切り押したけど、びくともしない。
『んっ‥んんっっ‼‼』
更に力を入れようとした時、ファルの舌に犯されて、全身の力が抜けてしまった。
『んんっ‥‥んーっ』
体をぎゅっと抱き寄せられ、逃げられなくしてしまう。
「ん‥‥」
『んんっっ‥‥』
舌を絡め取られ、何度も深く吸われる。
『んふぁっっ‥‥』
ガクリと腰が抜け、それをファルが支えた。
『‥‥はぁっ‥‥はぁっ』
「‥‥‥‥‥‥ユキ、お前から唇を重ねろ」
肩で息をしている私に、何て事を言うのだ。窒息死しそうだったでわないか。
『‥‥いきなり‥何すんの‥‥』
まだ息が整わない私をさっきよりもぐいと近くに引き寄せ、口づけを迫る。
「いいから早くしろ」
いや、何がいいのか分からないんだけど。
恐る恐る唇を重ねる。
『ん‥‥』
先ほどとは違い、軽く重ねるだけの口づけ。
『(ぐぅうぅぅうぅうぅ)』
「‥‥‥‥。」
『しょーがないじゃん!朝から何も食べてないんだから!』
「まだ何も言ってない」