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月島と恋愛に後ろ向きな三年生が付き合うまでのお話。

第3章 翌日


 酷い寝汗と息苦しい暑さで飛び起きた。クーラーはいつの間にか切れていて、切タイマーの時間を間違えたのだと気付いた。時計はまだ5時半、今から支度して家を出れば朝練に間に合う。
 シャワーを浴びるだけで済ませて、制服に着替える。机の上に散らかしたままの教科書や参考書、筆記用具をまとめてお弁当と一緒に鞄に詰め込んで。朝ご飯代わりの飲むゼリーを引っ掴んで家を出た。
 バス停のベンチで飲むゼリーを食べながら学校方面に行くバスを待っていると、昨日の告白を、月島くんを思い出して思わず頭を抱える。だって振られると思った。振ってくれると思い込んでいた。彼の良いところは何個でも言えるけれど、彼はどうしてよりによって私なんだろう・・・・。

 飲むゼリーを食べ終わったところで、バスが目の前に滑り込んで来て開かれたドアに飛び込む。空いている席に座って単語暗記でもしようと鞄から取り出しページを捲る。今日は英単語。ページの文字を目で追いかける、覚えた情報と食い違いがないか確認する。
 単純すぎる作業を繰り返しするのは嫌いではない。が、揺られるバスの中だからかいつも眠たくなる。瞼が重たくなって、手から飛び出しそうな単語帳を鞄の中に仕舞う。とうとう窓硝子に寄り掛かって椅子に体を預け『烏野商店街前~、お降りのお客様は―――』車内アナウンスに起こされ勢いよく立ち上がる。
「お、降ります!」
 鞄を肩に掛けステップを駆け降り、どうにか無事下車できた。少し乱れた呼吸と制服を整えて目線を上げると、月島くんがいた。・・・・朝練とかどうでもいい、今すぐ帰ってしまいたい。
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