第10章 ストバスと兄弟
氷室
「すごいよタイガの上達の早さは!
クールさは相変わらず足りないけど」
火神
「えー!?」
氷室
「いつのまにか友達もできてるし…もう大丈夫だね」
火神
「へへっ」
氷室
「何?急にニヤけて」
火神
「いやぁ、俺兄弟とかいないけど…兄貴いたらこんな感じかなーとか思ってさ」
笑顔で言う火神の言葉にに氷室は何を思ったのかその場を離れた
そしてはい!と火神の手にリングを渡し、同じものを指につけ始めた
火神
「これは?」
氷室
「そこの雑貨屋で買ってきた。ニセシルバーだけど
兄弟の証」
火神
「へへっ…でも、ちょっとバスケしづらい…」
氷室
「あ…じゃあチェーン買って首にかけとくか」
そうして首にリングをつけ始めた彼ら。だがその3年後に1つ年上だった氷室は早く卒業して火神とは別の中学校へと進学した
さらに1年後、火神も卒業してストバスにて戦い終わったあとのことだった
黒人
「すげーなお前!ウチのチーム入ってくれよ!
タイガが入ってくれりゃ次の試合百人力だ!」
火神
「試合?」
黒人
「ここのコートじゃ毎週隣のチームと使用権賭けて試合してるんだ
ただ最近むこうにすごい奴が入って連敗中でよ」
火神
「すごい奴…?
いいね!面白そうだ!」
黒人
「来たぞ…アイツだ」
ドリブルをしながらこちらへと向かってくる男を見ながら言う黒人の男
火神はその男に見覚えがあり、思わず目を見開いた
火神
「なっっ、タツヤ!?」
氷室
「…!
タイガじゃないか…そうかやっぱりそっちのチームに入ったか
手加減はしないぞ」
火神
「…おう!」
その日、火神は初めて氷室に勝った
しかし2人の間実力差はなく、次の試合は氷室が勝った
そして彼らは毎週のように勝ち負けを繰り返していった