第10章 ストバスと兄弟
降旗くんから離れてテツヤと火神の近くに行くと、火神が首につけているネックレスのリングをいじっていた
テツヤはその後ろでドッキリを狙うかのように火神に向かって話しかけた
黒子
「さっきからちょいちょいもの思いにふけりますね」
火神
「うおわっ!
別に…ちょっとアメリカにいた頃を思い出してただけだよ
雰囲気似てたから」
名前
『(そう言えばこいつ帰国子女なんだっけ…)』
黒子
「それってそのリングと関係あるんですか?」
火神
「はっ!?なんで…」
黒子
「さっきからイジってるじゃないですか…それ、いつもつけてますね」
名前
『彼女とのペアですかー?ヒューヒュー』
火神
「うっせぇよ!
…これは向こうでいつも一緒にバスケをやってた、仲間との思い出だ」
同じリングを付けている相手を知っているのだが冷やかしてみると火神の顔が真っ赤になって面白かった
だけどもその後すぐに真面目な顔になったため、あたしの気持ちもスイッチが入ったかのように切り替わった
黒子
「…仲良しだったんですね」
火神
「…一言じゃうまく言えねーなー。言っとくけど死んでねーぞ
仲良しだったかもしんねーし、ウマが合わなかったかもしんねー
バスケを教えてくれた相手でもあるし、教えた相手でもある
そんでもう一度戦いたいけど、もう二度と戦いたくねぇ」
名前
『…そっか』
でもすぐに戦うことになるんだよ。と声を掛けたかったがそれは仕方なく呑み込んで言うのをやめた
火神とテツヤの髪が風に靡いて少し綺麗だと思うのと一緒に、あたしの髪が同じように靡いた