第9章 2号と火神くんで遊ぶ
外が暗くなってきて練習が終了間近になったとき、事件が起きた
いや、事件と言うほどでも無いかもしれないが事件なのだ。うん
火神
「やっぱゼッテームリ!
元に戻してきてほしいす!!」
木吉
「なんだいきなり」
火神
「俺のバッシュにウンコしやがった!!」
小金井・日向
「(ミゾは深まる一方だ…!!)」
仕方なくバッシュを洗いに外へ出る火神の後を着いていって、後ろ…影からそっと見守る
会話は聞こえる程度の距離に居るためパッと後ろを見れば分かってしまうかもしれないけど
そんなことを考えているとテツヤが2号を抱えて火神に近づいており、あたしに気づいた様子だったので内緒。というポーズをしておいた
黒子
「火神くん、どうしてもダメですか?」
火神
「ギャー!近寄んなよ!
マジで勘弁してくれ。こえーんだよ、どうしても」
黒子
「・・・確かに…気性の荒い犬もいるかもしれません。けど2号はその時の犬とは違います
飼う飼わないは別にして、1度触れてあげてください
きっと誰かに引き取ってもらうなり、また捨てたりすることにはなりません
ただそんな恐ろしいものを見る目で見ないでほしいだけです」
河原
「黒子ー、ちょっといいか?」
火神
「ちょっ、置いてくなよ2号!」
2号と2人っきりになった火神は少し2号に怯えながらも何か考えているようだった
彼は洗っていたバッシュに目を向けて目を見開き、あたしは携帯のムービー撮影を開いてワクワクしていた
火神
「あっぶね…もう壊れてるじゃねーかこのバッシュ
気づかなかったな…このまま使ってればヘタしたらケガしたかもしんねー
(そういえば…いつもキツい練習はみんな明るかった
練習中の鳴き声にしても、試合中に突然大きい音やヤジが聞こえることはあることだ
コイツは何も悪いことしてない…のか?)」
意を決したのか、火神は緊張して震えながら2号へと手を伸ばした
それに反応した2号は火神の指をペロッと舐め、優しい対応をしていた
火神はその反応に驚いたのか、目を見開いていた
ちなみにあたしはベストショットが撮れたとガッツポーズをしていた