第9章 2号と火神くんで遊ぶ
インターハイ後、夏休みだが練習はある
正式にバスケ部に入ったあたしはそのために誠凛までの道を歩いていた
少し上機嫌で鼻歌を歌っていると影のうっすい水色の髪をした男の子を見つけた
名前
『テツヤー!』
黒子
「…名字さん?」
名前
『そうだけど?』
黒子
「…髪、黒いですけど」
名前
『普通は黒いと思いますけど!?』
黒子
「すみません…慣れないんです」
名前
『戻ってきて何日経ったと思ってんの?』
そんなにあたしの髪はオレンジじゃないと変なのか?
いや、でも中2の全中最終日までは茶色かったよね。しかも中1までは黒かったし
テツヤってそんな忘れっぽかったかなぁ…など、中学の時のテツヤと合わせつつ並んで歩き出す
その並んで歩くことも中学の時と重なり、なぜか征十郎の姿と重なったためあたしは目を見開いた
名前
『…テツヤ、』
黒子
「はい」
名前
『・・・やっぱ何でもない』
あたしの考えていることが分かったのか、テツヤは悲しそうに笑った
そんなテツヤに話しかけようとすると、ワンッ!と犬の鳴き声がして目線を下に向けた
黒子
「犬…ですね」
名前
『(このタイミングで2号出てくんの!?)』
まあ現時点では2号という名前ではないのだが…そうなるであろうからとりあえず心の中では2号と呼んでも大丈夫だろう
箱に入っている2号を抱えて再び歩き出すテツヤにちょこちょこ着いていく。あたしは少しだけ、気持ちが軽くなった気がした