第8章 誓いと記憶
笠松
「黄瀬の…ファンか?」
名前
『いえ、あたしも帝光出身なだけです』
笠松
「あ、ああ。お前帝光…出身?」
名前
『一応、バスケ部マネージャーでした
いざとなったらテツ…黒子にでも渡しておいてください』
忘れられてますが。と付け足したそうか迷ったが混乱を招きそうなので言わないでおいた
まあそりゃ帝光のマネージャーで忘れられてます!って言ったら誰でも疑うよね。うん
笠松
「お、お前、名前」
名前
『名前ですか?』
笠松
「あ、おう」
名前
『(本当に女って意識してんだなぁ…)』
こんな風に女性扱いされても嬉しくないのだが、それが彼の性格だから仕方ない。と1人頷きながら再び笠松さんの表情を見る
ふと目線が交わったかと思うと彼は目線を先ほどあたしが渡したハンカチへと落とし、そらした
名前
『…名前、名字です』
笠松
「名前、」
名前
『はい』
笠松さんに返事をしたのと同時に携帯に監督からのメールの着信音が流れた
内容は簡単に予想することができ、恐らくだがバス来ちゃうよー。などとのことだろう
名前
『それじゃ笠松さん
監督が待ってるんで、また』
笠松
「お、おう」
会釈をしてその場を去り、小走りでテツヤ達の元へと向かう
その時、笠松さんが「何で名前知ってんだ…?」と首をかしげていたことをあたしは知らなかった