第49章 愛しています
黒子
「おはようございます」
名前
『おっはよーございます』
降旗
「あ、おはよう黒子、名字さん」
福田
「もう少しで練習始まるらしいから急いで来いよー」
黒子
「はい。分かりました」
普通に男子が着替える所(既に終えているが)に入ったのにも関わらずツッコまれないあたしはついに男扱いされてしまったのだろうか、と少し不安を抱いているとテツヤがロッカーに先ほどの写真貼っていた
名前
『よく撮れてるね』
黒子
「はい、とっても良い写真だと思います」
名前
『あたしも部屋に飾ろうかなー…』
黒子
「それより名字さん、マフラーと手袋とらないんですか?」
名前
『だって寒いんだもん』
そう言って息を吐くと屋外に近いここは息が少し白くなりこの場の白さを表していた
それを見たテツヤは「そうですか」と返事をしてから「着替えるのでそっぽ向いてて下さい」と言ってきて、「あ、女子扱いされてた」とあたしを安心させた
黒子
「名字さんって、手袋嫌ってましたよね」
名前
『だって携帯の操作の邪魔なんだもん』
黒子
「じゃあ今日は何でつけてるんですか?」
名前
『すごい寒いから』
黒子
「…そう、ですか」
彼の言葉に少しドキリとしたがあたしは気づかないようにしてスクールバッグから先程の写真を取り出して手袋越しに1撫でしてから目を瞑って、封筒に閉まった
すると丁度テツヤが「着替え、終わりました」と視界にヒョコッと顔を見せた
それにあたしは返事をしてから立ち上がり、カバンに再び写真を閉まった
名前
『別にテツヤの着替えなら見慣れてんのに』
黒子
「なんでですか」
名前
『中学の時も不可抗力で見たし…別にズボン履いてる状態で上半身裸なら見られてもよくない?』
黒子
「名字さんがよくても僕が嫌です」
名前
『そうかなー…』
そう会話をしているとテツヤは「どうぞ」と言ってドアを開けてくれてあのレディファーストを行ってくれた
それに「ありがとー」と言って通ろうとすると、あたしはおでこをグワァン!と見事大きな音を立ててぶつけた