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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第46章 彼女の努力




彼女の涙がだいぶ止まってにも関わらず赤司はずっと名前のことを抱きしめており、彼女は顔を赤くして動揺していた



名前
『あの、そろそろ離してもらっても』


赤司
「…」


名前
『征十郎聞いてます?』


赤司
「聞いている」


名前
『じゃあ離してよ!?』



それに赤司は応答せず、むしろ名前を抱きしめる腕により一層力を加えるだけであった

彼女はそれが嫌なわけではなく不快感を抱いているわけではない。むしろ嬉しい。だが、そろそろ自由が欲しいのである。と彼女は脳内で考えているが、なんせ今まで長い間想っていた相手に抱きしめられていると思うと思考回路はショート寸前とまあ某OPのようになってしまっている



赤司
「お前がいつ消えてしまうのか、わからないだろう」


名前
『…消え、る』



そう今まで少し忘れかけていた。いや忘れていたわけではない。先程彼女は火神の家に向かう時に消えたことを説明したため覚えていた

だが今これからまた自分が消える。という考えを少し脳内から飛んでいた

その事を思い出した彼女は苦虫を噛んだように顔を歪めてから目を閉じて、原作を思い出そうとした。が、洛山に誠凛が勝利した所までしか残念な事に思い出せなかった



名前
『多分まだ、消えない』


赤司
「そう、か」



そう呟いた赤司は彼女に回していた腕を名残惜しそうに解き、今度は手を握りしめた



赤司
「また予定を立てて…会おうか」


名前
『…うん』



自然と帰る流れになったため彼女が立ち上がると彼は自分の方に彼女を引き寄せて、唇を重ねてすぐに離した

彼女はその一瞬の出来事に目を見開いたが、すぐに微笑みを返した






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