第46章 彼女の努力
赤司
「…お前は帝光で仲間に頼ることを教えた」
名前
『!?』
赤司
「仲間を支えることを教えた」
名前
『え、あ』
赤司
「…つまりお前は、仲間の大切さを教えたんだよ
名字から教えられたことを思い出せば、みんな思い出すだろう?」
名前
『あたし…そんな大層なことしてない…っ』
赤司
「十分すぎるほどやっていたよ。名字がいたから、俺達はバラバラにならなかったんだろう…?」
名前
『そんなこと…』
そう否定しながらも彼女の目からは先程の涙に加え、思い出すきっかけが嬉しくて、またポロポロと涙を流し始めた
セーターの袖で彼女が必死に涙を拭っていると赤司は自身の胸に彼女の顔を押し付け、ギュッと抱きしめて、あやすように名前の背中を優しく叩いていた
名前
『せいじゅ、ろ』
赤司
「お前の努力は、無駄じゃないんだよ」
名前
『っ、』
そう言われた名前は彼の背中に腕を回し、服を握り締めて、嗚咽を漏らしながら赤司の服を濡らして泣いた
赤司
「…お前はこのマフラー、つけていてくれたんだね」
名前
『だって、征十郎に』
赤司
「俺も今日はもっていないが…ちゃんと保管してあるよ」
名前
『…ありがっ、とう』
彼にそれに対して返事をせず、ただ彼女の背中を優しく叩いていた
そしてしばらくしてから、彼女の嗚咽がだいぶやんでから彼は口を開いた
赤司
「名字」
名前
『…はい』
赤司
「好きだよ」
名前
『っ…あたしも、好き…です』
そう返された赤司は嬉しそうに微笑んでから名前の事を抱きしめている腕により一層力を込めて、彼女の事を抱きしめた
そして彼女の頭にゆっくり唇を落とした