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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第46章 彼女の努力




そこにやって来たのは今より少し幼く見えるが自分自身で、彼は「待たせたね」と言って彼女に近づいて行った

名前が気まずそうに「征十郎、あの」とと何か言おうとすると緑間が赤司に「名前が先程からネクタイを集めているようなのだが、渡したらどうだ?」と言った

それに彼女は肯定の意味で頷き、赤司もそれを了承した

シュルッとネクタイをほどいて彼女に渡そうとする赤司に「ありがとう」とお礼を言って受け取ろうとした名前だった

が、赤司は名前の手首を掴み、隠していたブレザー、ブラウスがずれてパッと透き通った手が見えた

驚いている他の6人に対し見ている赤司も、当時の赤司も冷静に彼女を見ていた



赤司
「名字…これはどうしたんだい?」


名前
『っ、』


緑間
「…前に見たことがあるのだよ」


名前
『あたしはさ…いつかここから消えなきゃいけないんだよ。で、それが今日みたいなんだ』


黄瀬
「と、とりあえず先生呼んでくるッス!」



こういう時は大人に頼れ、と誰に教わったのか、黄瀬の発言に青峰と紫原と桃井も賛同して誰か呼ぼうと外に出てしまった

それに彼女のは「待って!」と声を掛けたが一足遅く、悲しいのか彼女の頬には涙が伝った

名前の声に反応した彼らはすぐに戻ろうとしたが何かが邪魔をし、黄瀬は「…中に入れないッス!」と見えない壁を叩いた



紫原
「何か壁みたいなのがあるんだけど~」


名前
『…やっぱり』


黒子
「知ってたんですか?」


名前
『いや、さっきあたしが外出ようとしたら出られなくて…それとこれもあくまで予想だったんだけど、本当みたい』


緑間
「これ…?」


名前
『人がここを出る度、あたしがどんどん消えかけてくの』


「「!!」」


桃井
「名字ちゃん、出られないの?」


黄瀬
「じゃあどうすれば名字っちが助かるんスか!?」



必死で言っている姿に名前はまた涙を溢し、袖で拭いながら「今の状況で助かるのない」と彼女が言った

その言葉を聞いた桃井は涙を溢し、それを見た名前もボロボロ涙を落としていた







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