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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第46章 彼女の努力



黒子
「名字さんって、変な所でビビリですよね」


名前
『な』


黒子
「昨日主将が言ってたでしょう?思い出すって
僕が殴るのは…嫌なんです」


名前
『(まあ征十郎は殴れねぇよな)』


黒子
「それより何より1番のビビリ…いえ、逃げている理由は…さっきから鳴ってる携帯、ずっと無視してるでしょう?」



そう言った黒子の目線の先には名前の携帯があり、着信先は赤司だった

それを見破られてた彼女はハハッと乾いた笑いをしてから、携帯を握りしめた



名前
『違う用件だったら…泣くかも、しれないよ』


黒子
「構いません。僕が責任とります」


名前
『…あ、切れた』



そのやり取りに黒子はイライラしたのか自分の携帯をカバンから取り出して、赤司へと電話をかけ始めた



黒子
「あ、もしもし赤司くんですか?」


名前
『え』


黒子
「はい…はい、分かりました。はい」



そう言っていくつか彼と会話をしたらしい黒子は電話を切ってから名前の事をいつも以上に真剣な眼差しで見た



黒子
「名字さん」


名前
『は、はい』


黒子
「今すぐ僕らが中学の時最後にバスケをしたストバスコートに向かってください。わかりますよね」


名前
『わかる、けど』


黒子
「後悔、しないで欲しいんです」



そんな黒子の表情に名前は目を見開いてから下を向いて、下唇を噛んだ

それから再び携帯を握り締めて目を瞑ってから、前を向いた



名前
『ありがとうテツヤ…いってくる!』


黒子
「はい。いってらっしゃいです」



そう言って彼女はスーパーである事を忘れているのか全力で走り出し、ストバスコートへ向かった

彼女の後ろ姿を見た黒子は「まったく…世話が焼けますね」と言って溜め息を吐いた



黒子
「…好きって気持ちを伝えてないのは、ボクもですけど」



そう言った黒子は溢れそうになる涙を拭って、「頑張ってください」とまた彼女の背中に向かってエールを送った






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