第45章 真のゾーン
跳ね返ったボールをとったのは木吉で、誠凛ベンチは一気にみな立ち上がった
また洛山ベンチでも白金が「止めろっ!!絶対撃たせるな!!」と立ち上がりながら叫んだ
洛山の選手は「誰で来る!!」と悩んだ瞬間、黛の視界から黒子が消えた
黛
「(く…そっ…ったれ…が_!!わかっていたのに…注意してたのに…!それでもっ…!誰かがシュートと思った瞬間意識から消えちまった…!!
存在感が希薄ということはこれほど脅威になるのか、幻の6人目…)」
次の瞬間、木吉からのパスを受け取ったのは黒子で、実渕は咄嗟に「今までシュートを撃ってこなかったのはこの瞬間のための布石!?」と目を見開いた
残り2秒、黒子が幻影のシュートのフォームに入ると、赤司が目の前にブロックで跳んでいた
赤司
「終わりだ!!黒子!!」
残り1.3秒、黒子の脳内では夕方誠凛の体育館で言った言葉を思い出した
黒子
「…いいえ、まだです。ボクは、影だ」
そう言った彼はそのままボールを放ち、撃った先には、選手の視線の先には火神がいた
残り0.4秒、火神は叫びながらアリウープを決めた
一瞬の静けさの後、試合終了のホイッスルの音と共に誠凛の選手がみなベンチから出てき、嬉しさで腕をあげた
「試合終了ー!!激闘の末WC史始まって以来君臨し続けた王を討ったのは、創部わずか2年目の奇跡の新星…誠凛高校ー!!ウインターカップ優勝ー!!」
喜びで叫ぶ誠凛は黒子と火神の元にみな集まり、木吉は相田のことを高い高いのように持ち上げていた
一方洛山の選手はみな呆然としていた
赤司
「(…負けた、生まれて初めて…これが、敗北…フッ、ひどいな…形容し難い胸の痛みだ
とても整列まで平静を保つなどできそうにない
だからこそ思う。バスケットをやっていてよかった。そして…お前に出会えて良かった)」
そう思って止まっていた赤司は黒子に近づいて、手を差し出した
赤司
「お前の…いや、お前達の勝ちだ。おめでとう…そして覚悟しておけ、次こそ勝つのは俺達だ」
黒子
「…はい、またやりしょう。その次も、何度でも_」
そう、何度でも。これで全てが終わったワケじゃない。むしろ始まったばかりだ
これから何度でも、彼らは戦える。大好きな、バスケで