第45章 真のゾーン
持田
「ダメだ…洛山が慌てて攻めて来ることはない。24秒使い切ってシュートもムリに撃たない。スキなんてとても…」
伊月
「(いやシュートは必ず撃ってくる、理屈以上に帝王のプライドがそうさせるはずだ。しかも洛山はさっきのプレイで見抜いてるはず…木吉の限界を…!!
どこかで必ずC勝負に持ち込むパスがくる!!)」
その予想はあたっており、残り10秒の際に葉山から実渕のパスの後に実渕から根武谷のパスが出た
彼はその瞬間を狙い、パスをスティールして奪った
伊月
「走れ!!!」
日向
「行くぞォ!!」
残り8秒、誠凛の反撃が始まった。火神にボールを回そうと思ったが彼には黛と赤司のダブルチームがついており、伊月はそれを無理だと判断し日向に回した
この時、プレッシャーをかけつつ実渕が考えていたことは「撃たせてもいい」だった
なぜなら点差は4点、ここで3Pを決められても1点リードで洛山ボール。そこから数秒キープする方が下手に守るより確実であり、消極的ではなくむしろ勝つために最も積極的な判断だった
だがここで、ある偶然が起こる。日向の手におさまったパスは、赤司が操る究極のパスと同質のものだった
それは仲間の中でも日向と1番長い付き合いの伊月だったからこそ起こせた偶然
最高のモーションでシュート体勢に入る日向。シューター達は入ることを直感し、同種の直感が反射的に実渕を跳ばせた
瞬間、日向が第4Q頭相田に叩かれた背中がピリッと痛みを発した
日向
「(あった、一矢報いて終わりじゃない、勝つために一手
ぶっつけ本番のトライ…けど見本はイヤよいうほど見せてもらった。イメージがあれば可能性はある!!)」
そう思った日向は実渕の「地」のシュートを真似てシュートを撃ち、笛が鳴った
しかしながらボールはリングに当たってから回り、ゴールに吸い込まれるように、入った
「バスケットカウント、ワンスロー!!」
「きっ…決まったー!3Pー!!
しかもワンスロー…起死回生の4点プレイだ!!」
「「うぉおあああー!!」」
「「やったあー主将っっ!!」」
相田
「(_順平!!)」
白金
「なん…だと…」