第45章 真のゾーン

大坪
「回してきた…！？」


宮地
「やけに慎重だな…！？」


高尾
「（…けどなんだ？あの速いパス回しでもDFが崩れない。というか、５人の動きが何かに合わせてることで乱れないってカンジだ…）」


実渕
「征ちゃん！！」



そう呼んだ実渕の元にパスが行くかと思いきや葉山の方へパスは回り、予想外のことに火神・日向・木吉はアイコンタクトをとった

葉山は木吉をかわし、再びゾーンに入った火神のブロックをダブルクラッチでかわし、シュートを決めるところだったが、日向が彼のボールを叩き落とした


葉山
「なっ…」


「うおおおー！！」


「とっ…止めたぁー！！！誠凛反撃ー！！」


「うおおだが洛山も戻りが早い！！」


赤司
「（なんだ今のは…確実に虚をついた誠凛の反応は全員とっさのものだった。にもかかわらずなぜ火神の動きに合わせて連携をとれる…！？）」




答えに気づいた青峰は「…なんだ、そーゆーことかよ」と言って笑いながら涙をこぼし始めた

そして赤司も一歩遅れながらも答えにたどり着いたのか、「まさか…本当のゾーンとは！」と目を見開いた

その瞬間、火神の中で扉は開いた



火神
「そうさ…俺だけで戦うんじゃない。仲間と戦うんだ…！！」


青峰
「（開かねぇワケだ。なんせ俺は、捨てちまったんだからよ…）
門番なんかじゃなかった。扉の前に立ってたのは…お前だったんじゃねーか、テツ」



仲間との一瞬のアイコンタクトのみで動きを協調させ、火神のゾーン速度に合わせた超速連携「直列連動型ゾーン」

それを使い黒子は火神へパスを出し、赤司を抜かせた



木吉
「（ゾーンに入った火神の速さにあわせるには考えていたら間に合わない。考えるな…直感に委ねるんだ！
できるはずだ。信じろ！俺達の絆を！！）」



次の瞬間、火神は木吉にパスをだし、木吉は受け取ってからすぐにゴールの方へとパスを出した
そのまま火神はアリウープを決め、点差を縮めた



実渕
「ゾーンの速さの連携…なんて、まさかそんなことが…」


赤司
「（これがあの扉の先…ゾーンを超えたゾーン…いや、むしろこれが本来あるべきカタチ…真のゾーンなのか！！）」