第7章 ピアスと後半と
観客
「試合…終了ー!!」
そんな声に海常の選手はくやしげな顔を浮かべ、桐皇は嬉しそうな顔をしていた
誠凛は驚いて言葉も出なかったが、名前は大きな溜め息を吐いていた
審判
「両チーム、整列!」
黄瀬
「!」
早川・小堀
「黄瀬!?」
森山
「(完全に足にきてる
やはり「キセキの世代」のコピーは並外れた負担がかかるのか…!?)」
黄瀬
「(んだよクソッ…情けねー)」
ガッ!!と床に拳を打ち付け、自分の苛立ちを見せる黄瀬
その打ち付けた右手からは血が出ており、青峰はその様子を少しの間見つめていた
そんな彼に、手を差しのべて立てない黄瀬に支えて歩くのは彼ではなく笠松だった
笠松
「お前はよくやったよ。それにこれで全て終わったわけじゃねぇ
借りは冬、返せ」
支えられて歩く黄瀬は歯をくいしばりながら泣いていた
それを見た青峰の後ろ姿は、どこか寂しげだった
今吉
「ええんか?なんも言わんで
元仲間やろ?」
青峰
「は?…いくらアンタでも、あんまチャカすとキレんぞ?
勝者が敗者にかける言葉なんざ、ねぇよ」
審判
「98対110で桐皇学園高校の勝ち。礼!!」
選手
「ありがとうございました!」
ベンチへ戻り、海常の選手達は表情が暗かった
それを見た笠松は、口を開いて渇を入れた
笠松
「しょぼくれてんじゃねぇ!!
全員すべてを出しきった
全国ベスト8だろう。胸張って帰るぞ!」
海常
「…おう!」
観客はそんな様子を見て拍手をし、その拍手の中海常はインターハイから去っていった