第7章 ピアスと後半と
木吉
「ここで勝負が決まる!
残り1分これを決めれば差は3P2本分、チームは一気に士気を取り戻せる
逆に落とせばタイムリミットだ
つまり…事実上…最後の一騎打ちだ!!」
最後の一騎打ち。と言うことから黄瀬と青峰共に脳内でシュミレーションをしていた
しかし彼らはゴチャゴチャ考えるのをやめ、本能で動くことにした
観客
「いきなり型の無いシュート!?」
今吉
「なっ…!」
森山
「!!
(速いっっ…これは、止められる…!!)」
誰もが黄瀬はダンクに行く。と思っていただろうが、それは間違いだった
彼は笠松へのパスを選択したのだ
原澤
「何!?笠松!?」
今吉
「(まさかここでパスやと!?
いくら青峰でも後出しでこれに反応するのはムリや…!!)」
しかし、青峰はそれに反応してパスを止めたのだ
それに観客は今までで1番。と言ってよいほどの歓声をあげた
観客
「止めたぁあ!?海常痛恨の無得点!
千載一遇のチャンスを逃したー!!」
若松
「(あのタイミングで後出しに反応できる人間なんていねぇ
読んでたのか!?…けど)」
黄瀬
「(なんで…!?)」
青峰
「最後までよくやったが、最後にヘマしたな
あのまま1対1だったらお前にも勝つ可能性はあったかもしれねぇ
あの時お前は目線のフェイクを1つ入れた。と同時に右サイドの笠松を見た。が、俺ならあの場面で目線のフェイクはしねぇ
つまりパスは一見意表をついた選択だが逆に言えば、俺の動きにない1番予想され易い選択だ
俺のバスケは、仲間を頼るようにできてねぇ」
そう黄瀬へ言い放ってその場を離れた青峰
対になるように、黄瀬は一歩も動くことができなかった