第44章 倒そう
白金
「(黒子の復活によるOF力アップは脅威だ。そして火神の2度目のゾーン…その守備範囲は確かに一瞬赤司すらもたじろぐものだった
だがそれも長くは続かない。ゾーンは体力の危険がある消耗が激しい、放っておいてもいずれ限界がくる
それまでは黛を囮にパスを出し、確実に勝てる戦うポイント…すなわち実渕・葉山・根武谷の1対1で点をとる
今の流れに逆らって無理に差を拡げようとすることは逆につけ入るスキを作る危険がある
落ちついて今の大差を変えないように戦うだけで、誠凛の希望の光はじきに消える)」
青峰
「赤司なら今の火神相手でも勝つ方法はあったかもしれねぇ、だがそれをノーリスクでやるのはさすがに難しいはずだ。ある程度失敗もありうる手が必要になる
つくづく赤司らしいぜ。しかも逆に言えば、誠凛は今の勢いでもまだ赤司にリスクのある選択をさせるほどには至ってねぇってことだ」
小金井
「(くそぉ…!!流れもきてるし点もとれてる…のに…!このビクともしないカンジ…これが洛山…!!)」
木吉
「(だが洛山のこの戦法のための黛の使い方は…)」
笠松
「非情。という他ないな。仕事はただ火神の視界に入る位置につっ立ってるだけ、この扱いはまずこの上なくショックなはずだ
それでも投げやりにだけはならないのは、ユニフォームを着てコートに立ってるからだろう。きっとかろうじて残ってる義務感だけが、無感情に体を動かしている」
その考えがわかっている黒子は同情で顔を歪ませて、赤司の事を見ながら彼の名前を呼んだ
誠凛の反撃の際、火神がミドルシュートを決めると点差は20点差になり、また洛山の攻撃に変わった
つまり差を詰めるには、この攻撃を止めなければならなかった
それがわかっている1年が悩んでいると土田は今までよりも声を出し、コートにいる2年3人を見ていた
土田
「(洛山の攻撃は五将3人による1対1…中のお前らもわかってるだろう。1年生が作った流れに乗ってここからさらに差をつめていくには2年生が五将を止めるしかないんだ!頼む…!!)」
そんな思いが1年生にも伝わったのか、誠凛ベンチは応援の声が響いた