第44章 倒そう
黄瀬
「いつも目線で誘導する状況身ぶりで、身ぶりで誘導する状況は立ち位置で、みたいにね
洛山の選手が黒子っちを早々見失わなくなったのは特性がなくなったからだけじゃない。黛が完璧に黒子っちの視線誘導を再現していたから、完璧すぎて逆に黒子っちがここまで気づくのが遅れたほどに
同じ視線誘導を知っていた。つまり最初から耐性がついてたんスよ」
小堀
「だから耐性のないパターンに変えたってのか…!?マジかよ…」
紫原
「…ただ、そうやって黒ちんが戻って少しぐらいがんばっても、それだけじゃ勝てないっしょ…赤ちんには」
彼の言う赤司は小金井から伊月へのパスをスティールし、カウンターを始めた
赤司のマークである火神はT.O終了前に相田に言われた言葉を思い出し
相田
「もし黒子くんの考えがうまく行ったとしてもそこからがさらに大事よ。そこでボケッとしてたら彼はすぐに対応してくる。その前にしかけて…!
情けないけど…これは作戦じゃなくて…お願い。何度も言うけど彼に対抗しうるのはやはりキミしかいないわ」
そう言っていた相田は今も「火神くん…ここで負けたらもう次はない…」と彼を見ており、その視線の先、火神は目を瞑った
火神
「(黒子…つくづくお前はすげぇよ。お前が立ち上がってなかったらもしかしたら俺もあそこで諦めてたかもしれねぇ…だから…今度こそもう、もう消させねぇよ絶対…!
お前がつけた希望の光を…!!)
勝負だ!!赤司ぃ!!」
彼が目を開けると、火神はゾーンに入っていた
これは、彼に与えられた最後の機会である
高尾
「ついさっきはやられたけど…マジかよ!?今度はもしかしてアイツ…」
緑間
「…ああ、再び…入った。ゾーンだ」
根武谷
「コイツ…!!」
実渕
「けど…征ちゃんには勝てないわ…!!そのゾーンでもだめだった前半を忘れたの?」
小金井
「うぐっ…(それでも…!!黒子の作った勢いをつなげられるのはお前だけなんだ。頼む…!!)」
誠凛が全員火神に期待を寄せると、彼はなんと赤司からとても遠い距離をとった
それには会場全体が驚いて、「なんだありゃあ…!?」と海常も驚いていた