第44章 倒そう
高尾
「まさか黒子…カゲのうすさが戻ったのか…!?」
緑間
「…いや」
黛
「(…違う!!そんなことありえない…!存在感のあるなしなんて自分でどうこうできるもんじゃない
スティール直前も気配に変化はなかったし、消えるドライブも有効な場面で使わなかった。黒子のカゲのウスさは戻ったりしていない…!!)」
「きたぞ活躍著しい洛山の5番!!黛だ!!」
「黛の1対1!!」
その歓声を聞いた黛はようやく気づいたのか、「まさか…テメェ…上書きしたのか…!!俺に…!!」と黒子に問い掛けた
緑間
「要は黒子が、黛が自分より目立つようにしむけたのだよ。黛に抜かれ続けたのもそのためだ
光に例えるなら、黒子は今までまたたくような光だった。そしてドライブ・シュートと強力な技を身につけたことでその光は強くなってしまった
だがすぐそばに突然より大きな光が現れれば、小さな光は再び見失い易くなる
ミスディレクションオーバーフローと理屈は似ている。元からある大きな光ではイミはない、突如現れた光だからこそイミがある
旧型と同じ特性を持ち、旧型より高性能、だからこそ掘られた新型の墓穴だ」
困っている黛に葉山が声をかけると黛は彼にパスを出した。が、そのパスは少し低かった
シュートを撃つ際に彼は謎の重圧を感じ短くなり入らなかった。リバウンドでは木吉がとりベンチからは歓喜の声が上がった
笠松
「黒子は今、DF面で大きな重圧を与えている。コート上にさっきまでいた選手が姿を消し、いつどこからスティールを狙ってくるかわからない
差を縮めなきゃならねぇ誠凛にとってOF以上にこの効果はでかいぜ」
森山
「そのOF見てて思ったんだが…交代直後はともかくとして、今も1番の武器であるパスを使う気配がない。しかもさっきは消えるドライブも使わなかった
黛を目立たせるとは言ってもそれには時間がかかることだ。上書きはまだ終わっていない
そのことを差し引いても腑に落ちない。黛への上書きができたとして、それだけで洛山の残りの選手が黒子を失うのか?それになぜ黛までさっき黒子を見失ったのか」
黄瀬
「…その答えは一緒っスよ」
森山
「え?」
黄瀬
「黒子っちは視線誘導の誘導パターンを、少しだけ変えている」