第43章 勝てない
インターバルが終了してベンチに戻ってきた所で誠凛はまた円陣を作り「行くぞぉ、誠凛ファイ!!」「おお!!」と気合を入れていた
その様子を見た実渕は「どうかしらね…むしろ必死に振り払ってるようにしか見えないけど。今にも心を覆いつくそうとしている、絶望の闇を」と言っていた
降旗
「(諦めたら終わりなんてころわかってる…それでも、声を出さないと今にも心が折れそうなんだ…!!
休憩中黒子は第1Q終盤~第2Qのビデオを食い入るように見てたけど、解決策はやはり見つかっていない)」
土田
「頼むぜ日向…!!そして…」
黒子
「火神くん…お願いします」
火神
「おう、まかせな…!」
そう言って彼は黒子が出してきた拳に自身の拳をぶつけた
「始まったぞ、第3Q!」
「洛山がこのまま突き放して圧勝か!?誠凛にまだ奇跡は残されているのか!?」
「いよいよ決勝の後半戦だ!!」
得点板には37対62と表示されており、25点差で誠凛が追いかける形となっていた
彼らは開始早々の走り出し小金井は実渕にスクリーンをかけ、フリーの状態で日向はシュートを撃って得点を40点代に乗せた
福井
「まさかあいつら…ここから追いつくつもりかよ…!?そんなこと…」
岡村
「ああ…不可能じゃな…99%」
福井
「99%?」
岡村
「ああ。確かに状況は絶望的じゃ、可能性は1%よりもっと低いかもしれん
じゃが…ギリギリ…あくまでギリギリじゃが、誠凛の心はまだ完全には折れてはおらん
バスケットボールに一発逆転はない…それでも、諦めない限り0%になることはない…!」
紫原
「…あのさ~悪いけど…俺が「勝てない」って言ったのは、状況だけを見た話じゃないよ~?」
実渕
「やっぱり…ねぇ」
そう言って笑う実渕には理由あるらしい。それは、先ほどのインターバルでの洛山控え室でのことになる