第43章 勝てない
紫原
「赤ちんあの位置だと、アンクルブレイクできない…かも」
氷室
「(そういうことか!!)」
彼の一言でどういうことか分かった氷室がコートを見ると降旗がすぐに葉山についており、彼らは降旗が「抜かれること前提」ではなく「抜かせた」のだと気づいた
この作戦が出されたのは、先程降旗が交代する前のことである
「降旗が赤司のマーク!?」
降旗
「ででっで、できません!!」
相田
「できなくていーのよ!泣かないでよ…」
福田
「…え?」
相田
「いい?とにかく今なんとかしなきゃいけないのは、黛くんよ。彼を自由にさせてしまうと1パスが即失点につながってしまう。それだけは避けなければいけないわ。だから彼には伊月くんをつける。これはまず必須よ
そしてここからがこの作戦のキモ、降旗くんにはフェイスガードで3Pだけ撃たせないようにして赤司くんをわざと中へ侵入させてほしいの
目的はそこで、火神くんをヘルプでぶつけるためよ」
そのような内容を青峰から聞いた桜井は「けどそれだったら、最初から火神をマークにつければいいんじゃ…?」と彼に質問を投げかけた
青峰
「状況が違う、ポイントは中で赤司とやるってことだ。アンクルブレイクってのは相手の重心を崩すために必ずドリブルを切り返す。つまりある程度スペースがねぇといけねぇのさ
だが人の密集した中に入っちまうとそのスペースはねぇ」
桜井
「…あ」
青峰
「罠の入り口がでかすぎて赤司も気づくのが遅れたな、まず黛封じ。そして、アンクルブレイクできない場所で赤司に火神をぶつけること。それが誠凛の狙いだ」
火神を前に赤司はドリブルで彼を抜いてレイアップシュートを決めようとした。だが火神は後ろから彼のボールを弾き飛ばした
そのためリバウンド勝負となったのだが根武谷のフォローによりシュートは決まってしまった
今吉
「わははっ意外とマシな形になるもんやなぁ。赤司なら降旗を崩して3Pも撃てる…がさすがに100%は入らんから3P一辺倒にはできん
この先も似たような形になるで」
鳴海
「…けどこれって、要は降旗…罠のためのエサってことっすよね。勝つためとは言え、何気にひどくねーすかあの女…」