第43章 勝てない
その後誠凛は7点差で追いかける形となり、相田は何か考えがあるのか選手交代を申し出た
交代するのは水戸部と降旗で、彼は緊張しながらもコートへと出て行った
その事により黛のマークは伊月に変わることになり、誰かわかった彼らは驚いてまるで落書きのようになっていた
氷室
「え…てことは…まさか…」
桃井
「大ちゃん…これって…?」
青峰
「どーもこーもねーよ…俺にはライオンの前にチワワがいるようにしか見えねーが…」
「「「何考えてんのおぉおー!!?」」」
黛
「(…えーっと…ナニコレ?俺に伊月がつくのはわかる。ミスディレクションに鷹の目の使い手は天敵だ
同系統の能力である鷲の目を持つ伊月につかれれば俺の動きはかなり制限されるだろう
ただその伊月の代わりに赤司につく奴の人選は、ぶっとびすぎだろう)」
この時赤司はこの試合初めて動揺。と言うほどではないが、わずかながら困惑の色を見せた。弱すぎてどうしよう…と
降旗は「コイッ!!」と小さく発しており、赤司がスローインに入るからと歩き始めたため降旗が「まっ…あっ」と歩き始めると、彼は自分の足で転んでいた
赤司はその様子を、すごく哀れんだ様子で見ていた
根武谷
「オウコラ…木吉ぃ…テメェらの血は何色だァ!!?」
木吉
「え?」
根武谷
「え?じゃねぇわ!あのガキこっぱ微塵にされんぞ!!もはやホラーだよ!怖くてこっちが見てらんねぇ!!
悪いことは言わねぇからもっとマシな奴に代えろ!赤司にそーゆー冗談は通用しねんだって、マジで!!」
木吉
「お前って実はやさしいよなあ、ハハハ…」
根武谷
「アホか!!」
木吉
「けど大丈夫。こっちは大マジメさ」
彼らの視界で降旗は赤司に一生懸命食らいついており、その様子を見た実渕は少し驚いていた。そんな降旗をベンチは応援していた
赤司はそんな彼を前に「これは_」と少し目を目を見開いてから「やはり話にならない。わざわざパスターゲットを探す方が手間なくらいだ」と思って溜め息を吐いた
「どういうつもりかは知らないが、もはや選択肢は1つだな」と考えた彼がドリブルで降旗を抜くと、すぐにヘルプの火神がついた
それを見た紫原が「あ、そーか」とやっとその罠が分かったようだった