第41章 決勝前の
拳を合わせたことに満足そうに笑った黒子は「それじゃあ、帰りますね」と言ってドアに手を掛けた
先に名前を、と優先した黒子は「どうぞ」と言って彼女を外に出させようとした
しかしその後ろ姿を見た瞬間、彼は靴も履かず彼女の腕を掴んだ
火神
「まて!おまっ…名前じゃねぇか!」
名前
『え、あ、え?あたしが名前以外に見えんの?』
火神
「そうじゃねぇんだよ…なんつーか…中学ん時!会っただろ!?青峰と一緒に!」
彼の言葉に最初意味が分からなかった彼女だったが、理解した「あ?ああ…はぁ!?思い出したの!?」と声をあげた
黒子
「火神くんと名字さん…面識ありました…ね」
名前
『うん…まあ会う機会少なかったけど』
黒子は帰ろうとしていたが、今このタイミングで帰ることを止めてドアを1度閉めた
火神
「そうだ…お前が確か卒業式っつった日から連絡とれなくなって…4月1日0時丁度に…頭が痛くなった時から…だ」
黒子
「4月1日…!」
名前
『もしかして、テツヤも…』
黒子
「はい。同じ日に同じ時間に頭痛が起きて…治まったら、名字さんの事を…」
名前
『…へぇ』
その話を聞いて彼女は「思い出した時の事は聞いたけど、この話は初めて聞いた」と呟いて、少し考える素振りを見せてから「もう1回、思い出した時の事を教えてもらっていい?」と小さく、申し訳なさそうに言った
黒子
「僕は夏のI.H前…火神くんと日本一になることと「キセキの世代」を倒すと誓って、拳を合わせた時です」
名前
『火神は?』
火神
「…いま黒子と拳合わせた時から、少しずつ思い出してお前の後ろ姿思い出したら全部思い出した」
名前
『ふーん…』
また彼女は「前にもいつだが共通点を探した気がしたする」と思いながらひたすら悩み続けており、黒子が彼女に「他の人は、どうだったんですか?」と彼女に問い掛けた
その返答に彼女は少し悲しそうに笑いながら、話を始めた