第40章 約束は
赤司が医務室に着くと桃井がちょうど目を覚ましたことを伝え、赤司は桃井と共に医務室の中に入った
赤司
「テツヤ…具合はどうだい?」
黒子
「赤司くん…桃井さん…」
黒子
「試合は…」
赤司
「もちろん勝ったよ。決勝はあと5分で始まる。だから悪いが今は僕だけだ」
黒子
「僕も…出ます…!!」
桃井
「テツくん…!!」
赤司
「ダメだ。医者に安静にしていろと言われている。大人しく寝ているんだ」
黒子
「でも…!」
赤司
「わかっている。荻原くんだろう?」
黒子
「!」
赤司
「先ほど廊下で会ったよ。絶対にまたやろう。そう言っていた」
彼の伝言に黒子は悲しそうに眉尻を下げながら目を見開いて、「そう…ですか…」と力なく返事をした。そして赤司の事を呼び、決勝は全力でやってくれと懇願していた
赤司
「…いいのか?どんな点差になっても」
黒子
「…はい。手を抜かれる方がもっといやだ。彼なら…そう言うはずですから」
赤司
「…わかった。思い知らせてやろう、帝光の力を」
そう言って赤司は医務室を出ていき、会場に着くと黄瀬が次の試合について何か話しているようだった
黄瀬は彼が戻ってきた事に気づき、黒子のことを心配してどうなのか聞くと赤司は「大丈夫だ別状はない」と言い、この試合に出ることはないと説明した
緑間
「…」
紫原
「まーとりあえず優勝してさ~あとでみんなで報告しにいけばいーんでないー?」
青峰
「…あーそーだな」
赤司
「そうだね…ところで、さっきは何を話していたんだ?」
青峰
「あーあれは、誰が言い出したんだっけ…?誰が1番点をとれるか競うのも飽きてきたからよ」
紫原
「でもーメンドクサイよそれ~」
黄瀬
「だから面白いんじゃないっスか!」
緑間
「くだらん。勝手にするのだよ」
そうして話を聞いた赤司は「…フム」と返答を返してから口元に弧を描いた
赤司
「いいんじゃないか、ただの点取りゲームよりはるかに楽しめそうだ。それに、今からの相手にもうってつけだ」
対戦校の明洸はただ真剣な表情で帝光を見ており、両者が並んだところで決勝戦は始まった