第40章 約束は
試合終了後、荻原は黒子がいるであろう医務室に行き帝光のマネ、桃井に黒子は居るかと問いかけたが「まだ目を覚まさなくて…」と彼女は答えた
それに荻原は「ありがとう」と言って踵を返して歩き出し、決勝直前赤司征十郎と出くわした
赤司
「誰だいキミは、テツヤに何か用かい?」
荻原
「明洸中の荻原シゲヒロ。友達の見舞いに来たんだ」
赤司
「決勝の対戦校か…荻原?…なるほど先のテツヤの試合ぶりはそういうことか」
荻原
「俺の事を知っているのか?」
赤司
「たまたまだが以前テツヤから聞いたよ。あまり昔のことを話したがらないから知っているのは僕だけかもしれないが
お互い対戦を望んでいたそうだが…残念ながら次の試合テツヤは欠場だ…まあ結果は同じことだ。健闘を祈るよ」
通り過ぎた彼を荻原は引き止め、「アンタ…バスケやってて楽しいか?」と前の黒子と同じ質問をした
それに赤司はやはりあの時と同じく「質問の意味が分からないな」と返した
荻原
「黒子のことはすげぇ悔しいけどそれを今ここでどうこう言うつもりはないし、ウチが眼中にないことも覚悟はしてた
帝光は強いよ。けど試合に勝ってるだけじゃないのか、それ以外何も感じなかった。勝ち負け以上に大切なことだってあるだろう?」
赤司
「…それが楽しむことだとでも言うのか?くだらないな。負けても楽しければいいなど弱者の言い訳だよ」
荻原
「負けたら悔しいさ!けどだから次は勝とうって頑張れるし、勝った時嬉しい。だからバスケは楽しいんだ!」
赤司
「やはり響かないな、何も。負ければ結局ただのキレイ事だ。時間のムダだったね、言う通り眼中にないよ。実力も言葉も」
そんな赤司の背中に向かって荻原は「黒子に!絶対またやろうとだけ言っといてくれ…!」と大声を出してから彼は会場へと戻って行った